★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
12/1 奄美に来た
 12月に入ってしまった。これから5日間で、「アジアンスウィフト」構想をまとめ上げ、台本に着手し、半分近くは書かねばならない。全部といきたいところだけれど、ちょっと難しいだろう。
 そこで、羽田を発って、奄美大島に来ている。初奄美だ。石垣に行こうと思ったのだけれど、佐野真二の「だれも書かなかった沖縄」という分厚い本を思いだし、沖縄にも鹿児島からも差別され、狭間にあった奄美人たちはヤクザになるか警官になるしかなかった、と言われていた時代の名残があるだろうか、とふと気になったのでやってきたのである。アイルランドも同じで、アイルランドもイングランドから差別され続けた場所であったため、その空気感が少しでも感じ取れれば、と思ったのだ。奄美の島唄にも興味があり、今度の舞台はインドネシアだから、沖縄音階とも共通する音階を持つ鹿児島に所属する奄美ではどうか、と感じている。
 朝8時半、羽田発、奄美空港着11時20分。気温はまったく違う。初秋という感じか。暑いというよりは服を着込んでいたら暑くてたまらないという温度。名瀬入りは12時半。宿にチェックインしようとしたら15時だと言われ、ぶらつく。じっとりとした空気感に少ししびれる感覚がある。奄美名物の鶏飯を食う。これは鶏肉、卵、海苔・・・等々を飯の上に乗せ、鶏出汁をかけて、茶漬けのように食うのである。とってもうまかった。名瀬の中心地を歩くが、人が少ない。やはり地方都市の寂れ具合が強く印象に残る。そして部屋に入ってみると元ちとせのCDが二枚置いてある。さっそく聴いてみると、ああ、確かに、この音はこの街、この土地のものだと強く感じた。この土地のネットリ感と哀感が、彼女の歌の根底だろうと感じたのである。
 そしてじっと考え込んでいると、タイトルが浮かんできた。「アジアンスウィフト」ではどうにもこうにも考えがまとまらないなあ、ここはタイトルと方向性を変えないと、ちょっと書けないぞ、無理だぞ、と思っていた。そこで、「Garibaba’s Strange World – ガリババの不思議な世界」というタイトルで行こうと決めた。そもそもスウィフト、ガリバーと言ってもインドネシア人には馴染みがなさ過ぎて、こりゃダメだというのが、一番にあった。だから、アリババならぬガリババという名称のスウィフト的な人物とガリバーを混ぜ合わせて作ってしまってはどうか、と考えたのだ。
 「Nobody No BODY」とはまるっきり方向性が違う。「Garibaba」は一種、冒険活劇である。しかし、こいつは日本ではやらないのだなあ。
 即刻、タイトルが決まり、方向性が決まってくると、まあ、なんとなく決まってくるものだから、早速、台本を書き出す。スラマット・クンドノのCDを聴く。これがとてつもなく良い。スラマットは「Garibaba」でダラン、すなわち影絵師として参加するのだが、彼は影絵師というよりも作曲家、音楽家、歌手、パフォーマーとしてもきわめて優れていて、メッチャクチャ面白い。太っていて、まるで小錦である。

 夜、飯を食いにフラリと外見がすっきりして気に入った店に入ったら大当たりで、お任せで頼んで黒糖焼酎を飲んで、ハラが膨れまくり、辛いくらいだったのだが、それでも3000円。その店の女将には、奄美の人間と間違えられ、違うというと沖縄の人?と聞かれ、え?外国?だって。いやはや、どうも内地の人間には見えないらしい。 
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by kikh | 2008-12-01 23:51 | 日々の記録
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