★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
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 NYCは、アメリカの大不況を受けて、火が消えたようなありさまである。
 こんな寂しいニューヨークを見たのははじめてだ。地下鉄の主要駅で、音楽が少ししか聞こえてこないのもはじめてである。驚くほどだ。
 加えて、人々の顔の暗いこと。もちろん暗さは前々からあったけれど、誰も彼もが暗いわけではなかったが、今は誰もが陰気な顔をしている。
 ニューヨークの老人たちの寂しさ、暗さは前々からだった。しかし、これほどまでの暗さは見たことがない。先日、フィリピンに行っていたせいか、比較にならないほどの暗い影を引きずっているのがNYCの老人たちである。多くは辛さが滲み出ている。 
 かと思うと労働者の首切りに苦渋する人々の顔がある。

 さて、こんな状態で引き継がれたオバマは今は燃えているだろう。この燃焼を支える彼のような人物が今、日本にいると思えないのが残念である。たくましく生きることこそが、確かに未来を切り開くが、今の日本人の多くは自ら切り開くというよりも、与えられた財産で食っていこうという人間がなんとも多い。いや、日本だって間違いなくいるのだけれど、日本は組織が邪魔をする。組織が介在化した途端にモグラ叩きのように潰される。あるいは飼い殺される。そうならないために必要なのは、やっぱり強い心であろう。しかし、心はみんな弱くなっている。それは身体性と関係している。
 いつの間にか、アホウ総理は、公務員の「渡り」にお墨付きを与えてしまうというなんとも最低のことをやっている。誰に向かって政治をしているのか、この人たちは、と思うが、彼らも政界の混迷は自ら首を絞めていることを知ってはいるだろう。だが、それでも小さな世界で生きるしかないというなんとも情けない事態を、諦めの中で実施している。もう少し、人間的レベルの高い人が政治家にならないとこの国はボロボロになるだろう。役人も政治家も、人間的レベルの低そうな人が多いのは実に残念を超えて、絶望的である。人間レベルを上げる教育こそが望まれる。

 さて、オバマ政権はうまく行くのだろうか?うまく行かない場合、世界はどんどん混迷化するから何としても成功してもらわなければならないが、日本も同様にいつまでも政局を混迷化させていて良いはずがない。ひとりあたり1万円強、与えて、盛大に使ってもらって、なんて言っている脳天気にも困ったものだが、こんなバラマキに3/4もの人々が反対しているにもかかわらず、押し通そうとするその厚顔無恥さにも頭が痛い。

 1月14日は朝から相当温度が下がった。マイナス5度。ISPA(International Society for the Performing Arts)での発表は、Times Centre で行なったが、いちおう世界中からの60の応募があり、その中の11に選ばれたのだという。それにしても英語でのプレゼンテーションは準備をしていても力が入る。ただ、全体を見てみても「ガリバー&スウィフト」はかなりいけると感じた。ただ、どうなのか?あまりにデカイ作品だから、難しい面もいろいろとあるにはある。
 終わってから寒さの中、フラフラと歩く。ニューヨークに来るといつも歩きたくなる。今、100年に一度の大転換になるだろうと言われている。その中でちゃんと生き残るには、生き残れるだけのことをしなければならないと感じる。間違いなく今はどん底だ。世界中がどん底だ。アイスランドは国家破綻か、とまで言われている。アメリカも長く続いた宴の後の寂しさがピッシリと被っているが、この宴の後がいつまで続くか、世界は今、バブル後の日本を教材としているだろう。一国も早く脱出を願いつつ、多くのニューヨーカーたちはスタバのカップを差し出し、カラカラとそれを振って金をねだっている。

 Asian Cultural Council のセサリーと会う。僕がACCでNYに来ていたのは、もう15年も前になる。セサリーにとっては彼女がACCに来ての初めてのグランティーが僕だったそうで、未だに何かと面倒を見てくれる。あれを見ろ、これを見ろ、あそこに行け、誰に会いたい?などなど情報をくれようとする。時間がないから無理だというと、まだ夜は長い、とか言っている。クソ寒いNYCの夜で、パラパラと雪が降り出している。
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by kikh | 2009-01-15 15:41 | 日々の記録
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