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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
3/7 コルカタ3日目
さてさて、インドにも結構、慣れてきた。だが、腹に来てしまっている。だから、変なものを3/7 コルカタ3日目_c0036263_0201855.jpg食うのは控えることにした。

朝、少し書いて、考えて、それから外に出た途端に、コブラ使いに出会った。未だにいたのだ、と驚く。確かにコブラである。それを笛で操っていくのだけれど、なかなか言うことを聞かないコブラで逆に面白かった。途中で、コブラ使いがコブラに噛まれていたけれど、もう充分血清ができているのだろう、どうということもなく、何か貼付けて、続行。でも、もう少し、コブラを上手に操ってくれないと、と、ちょっと残念。

さて、一応、有名どころへ行ってみよう、じゃあカーリーテンプルかな、と思い立った。ここは、年に一回、牛の首を切り、毎日、羊の首を多数、切り落とすという供儀を行っているところだという。まあ、首切りを見ている人々を見たいという気持ちが強かったのだが。しかし、行ったところ、もう終わったらしく、ただ、血の流れた後だけがなまなましく残っていたのを見ただけだった。
 カーリーテンプルに近づくと、ボランティアだという男が現れた。ガイドではない、ボランティアだから、という。写真を撮っていたいから誰もいらないと言うと、別に金をほしがっているのではない、間違いないよう案内をしたいだけなんだ、と男。そうかい、じゃあ、まあ、案内して。と、言った途端にくだけてきた。すごく親しみを持って接してくるのだ。ああ、こいつ、また、どこかで金と絡むんだろうなあ。と最初から予想できるようになってきたのが、インド慣れしてきた証拠である。と、彼は別に何もしてこない。寺院に入った途端に、一見上品そうな坊主らしき案内人が現れた。勝手に案内してくるのであるが、この手の笑顔は要注意なんだな。説明してくれるから、まあ一応、聞いた。なかなか流ちょうな英語だったので、聞きやすくもあったのだけれど、最後の最後に、やはり、布施を、と言い出したのである。それも外国人が布施をした一覧を見せられ、これをするとみんなに幸福が行き渡る、とか言われて。それも少ない数字ではない。1200とか2000とか書いてある。2000って、約5000円である。こうやって払っている外国人も結構いるのだろう。名前だけは書いたが、その後で説明された。この数字はなんだ!これは!お前、坊主か!・・・と、出てきたのである。
 怒った、怒った。芯からこいつには怒った。
 おい、お前、寺の人間か?え。ここは金を無心する場所か!え。ヒンドゥーってのはそういう金を巻き上げる場所なのか。阿呆!誰が払えるか!!こんなことばかりやってちゃいけねえだろう。
 そうやって、腹を立てて、でもまあ、インドだからねえ、仕方ねえわい、とそれなりに平静に出てくると、最初のボランティアの兄ちゃんが情けない顔をして立っている。おい、なんだ、お前も金かい。おれはなあ、インドって国、大嫌いになった。インド人の神様はなにがヒンドゥーだ、金じゃねえか。金しか頭にねえじゃねえか。・・・怒らないで。・・・お前らインド人は、本当にひでえやつらだよ。・・・分った。悪かった。でも、これを食べて。と、ひとかけの菓子を差し出され、食べてみるとうまい。ブレスユーとか言われて、その場を出たけれど、バツの悪そうな顔をしていたなあ、あの兄ちゃん。
 と、気分が悪いのでチャイ屋でチャイを飲む。ここの親父がいい顔をしているんだ。こういう顔のヤツならインドもいいところだと思えるんだけどなあ、と思いつつ、話しかけたが、英語が分らない。チャイいっぱい2ルピーであった。寄進額の1000分の1である。まあ、互いにニタニタしつつ、気分良くチャイ屋を後にする。

 それからはまた、腹が立つことがあった。今度はカルカッタを代表する文化複合施設とカルカッタの英語版案内に書かれていたところに行ったのである。何か見たいと思って、である。そこにはコルカタインフォメーションセンターもあり、これはいろいろ情報が得られるだろうと踏んだのだった。ところが、何がなにやらさっぱり分らない。映画と音楽の施設だろうというのは分ったのだが、スタッフがいないのである。いくら探してもいない。そこでインフォメーションセンターに行って、文化的催しの案内をくれというと、探していたが、今はない、あと1時間後に来い、と言う。
 外のくそ暑い中で本を読み、というのも、カフェテリアと書かれているところへ行っても何もなく、実はカフェテリアとはカフェ屋台。要はコークとかを売っている屋台でしかないのである。くそったれ。日陰がまた臭かった。臭気がぷんぷんし、何が腐っているのだろうと見回すが分らない。
再び一時間後に行ってみると、さて、そこにあるだろう、と指さす。ああん?そこにあるのはさっき探したやつだろう。あんたが一時間後に来いと言ったんじゃないか。さっき探した中には2月までのものしかなかったじゃないか、俺が欲しいのは3月の、今の案内だよ。分ってるのか?すると、分った、一緒に来い、と言う。この野郎、さっき、なぜさっさと一緒行かなかったんだよ、と言いそうになったが止めた。我慢。ところが、である。今、3月は新しい催し案内はまだ作っていないと、そいつの上司は言い出した。作ってないって?今は7日だよ。7日で作ってないのか?と聞くと、しばしばそういうことはあるのだと答える。
呆れかえった。これがコルカタの政府インフォメーションセンターである。とんでもない。しかし、ここはインドだ。何があっても腹を立ててはいけない。カネカネ言われないだけまだましかもしれぬ、と思い直す。

もう、いい加減、疲れたので、やっぱり5ッ星ホテルのカフェに行く。パソコンを安心して開けるのは、いいホテルのカフェくらいである。値段は確かに高いが安全を買っていると思えば高くもない。今日はピザを食って650円程度だったから。腹の調子のことも考えなくちゃならない。清潔なところの方がいい。

本屋やらCDショップやらを回る。やっぱりインドのボリウッドと呼ばれる、要はインド版ハリウッドなんだが、その映画が欲しくなってくる。どれが面白いんだと聞くと、いろいろと訳のわからない英語で説明してくれる店員。聞くだけ聞いて、やめた。こりゃあやっぱりその辺の路上で買った方がずっと安いからである。でも、一応、チェックだけはしておいた。テレビを見ていても、インド映画、インドテレビは滅茶苦茶である。このハチャメチャさ加減はたまらなく面白い。この面白さがそのまま街の面白さとなっていると言ってもいいだろうけれど。
ただ、このハチャメチャ加減も、ひとつの形を作ってしまっていて、僕はすぐに飽きそうである。形を壊す動きが出てこないことには、見ていてもウンザリさせられるだけである。クリシェでしかないんだ。
本屋でアートの本を眺めていると、ダンスを取り上げている本が多いことに驚く。要はダンサーの本なのであるが、本物を見てはいないけれど、本の中の写真の人物は実に不気味である。こういう不気味さをインド人たちは欲しているのかと思うとニタリと笑い顔になった。
by kikh | 2005-03-11 08:47 |
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