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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
2/23 フィーメール マルクス兄弟
 アメリカという国は実はとても大きく、そして多様であるから、アメリカとは、とひと言では括れない奥行きがある。
 ポートランドを皆、キレイな街だ、という。照明家の関根さんも、ここは本当にキレイだ、自然が多いからだろう、と言っている。確かにキレイなことはキレイである。しかし、僕はこのような画に描いたような、いかにも西洋的キレイさの街はあまり好きではない。圧倒的に白色系の人たちが多い街でもある。ヒスパニック、黒人、アジア人もいるにはいるが、この街は白色系の好みで創った街という匂いがする。もっと言えば、どこも尖った感じがしない。いくら雑然とし、錯綜しようが、ポートランドよりは僕ははるかにNYCの方が好きだ。色彩ということで言うならば、たとえばメキシコの色とかの方が強烈に好きである。だが、そういうとんがりがない。人も同じで、尖った感じはまったくしない。いい人達が多いのかなあ、とか、住みやすそうとか、さまざまな感想を持つ。同時に、ならばそのいい人、そして富裕な層の人たちに至らない人たちはどこで生活できるのだろう、と感じてしまう。
 僕は街にはとんがりが必要と思っている。街はやはり一層ではなく、多層である方が面白いし、豊かさを醸し出す。もちろんそこには社会不安要素があるからこそ、ではある。しかし、社会不安要素を取り払いだすと、結局は共産の発想になっていく可能性も大きい。
 とは言え、こんなに簡単にポートランドを語るのも危険である。ほんの少ししか、見ていないし、感じてもいないからだ。もう少し、キチッと見なければ語れないのは事実であるが、瞬間的に感ずる何かを重要視したいのも事実である。

 さて、今日は朝から「三人姉妹」稽古、仕込み、そしてゲネ。
 夕方18時過ぎには終わる。ゲネを見に来ていた方々は総勢20人。彼らの拍手も熱かったが、加えて、ある年を召した舞台人が、これは女版マルクス兄弟だねえ、と感想を語っていたのが印象深かった。ずっと笑いが止まらなかったという。でも、ゲラゲラ大声で笑っていた人はいなかったから、くすくすと笑い続けたのだろう。僕にはこのような笑いこそが好ましい。ハラの底で何かがもじもじしているような。

 喜び勇んでポートランド料理を食いに行く。
by kikh | 2009-02-24 15:02 | 舞台
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