★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
8/26 嵐
 バンコク公演初日!
 今日は凄かった。見に来た方々にとってもきわめてメモラブルな日になっただろう。
 公演が始まる前までは、ムンムンと暑く、こんなに暑い日も珍しいとパトラバディさんが言っていたくらいだった。
 公演が始まる。そのために明かりを落とす。と、効果音のように雨音がし出した。
 ここは天井がテント生地であり、横は吹き抜けである。だから、まるっきり遮音性がない。
 ここからが凄まじい公演の始まりであった。
 雨はどんどん激しくなり、雷が鳴り、風も暴風となって舞台上を駆け抜け、後方の大黒はめくれ上がり、センターでオペレーションしていても雨は吹き込んできて、すると客席横に座っている方々は濡れまくり(満席だから移動するわけにもいかない)、パフォーマーの声は聞こえないから三人とも大声を張り上げ、音楽も全然聞こえないので普段の倍以上の音量を出し、繊細さなどまるでなくなって、嵐との闘いに明け暮れた1時間となった。そのうち、凄まじい雨は客席に進入してきて、舞台最前列と二番目の客はみんな、足を客席の上に上げて見だしている。最後に僕もカーテンコールに呼ばれたが、舞台上にあがれず、舞台から5メートルくらい手前で靴と靴下を脱ぎ、30㎝もあった深い川にドボドボと足を水に浸けてやっと舞台に上がるありさま。その後、パトラバディさんから花束贈呈があったのであるが、これまた、みんな川を越えて、裸足で舞台に上がってくる。いやいやいやいや凄まじい。客もまた舞台は跳ねても、帰宅できない。嵐は止まず。そして、その川のような場所を通り抜け、大雨の中に出ていくのは到底不可能であった。
 こんな風だから、作品は良い悪いを超え、何が何やら分からず、いやはや、ともう自然の脅威の前に佇むだけとなったが、カーテンコールの反応はそれでもなお、強烈で、観客からは賞賛、絶賛の嵐。あるアメリカ人夫婦は、生涯で最高のパフォーマンスと、興奮冷めやらず。
 昨日、見ていたトビーだけが、細かな部分がまるっきりなくなっちゃったね、と言っていた。ラストシーンは空洞に自分自身が吸い込まれていくような錯覚があったが、今日は雨音が凄くて!と。そりゃあそうだ。細かな音は全然聞こえないし、凄まじい轟音の中で無理矢理やった公演となったからである。
 まあ、こんなこともあるさ。しょうがない。しょうがないけれど、このパトラバディでも未だかつて、ここまで凄い嵐とパフォーマンスが直面したことはないらしい。それも公演が始まると同時に嵐となり、終わって1時間後には何事もなかったかのような静けさを取り戻していたのだから。
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by kikh | 2009-08-27 11:52 | 日々の記録
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