★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
3/26 帰国
3月20日に北京入り。
21日からワークショップが始まり、昨日25日まで行う。
北京といっても、ここ、Living Dance Studio は田舎にあるので、実にのんびりした雰囲気が漂う。また、なんだかんだでやることがたくさんあって、ほとんどここのスタジオからでることがない。ここで衣食住からワークショップまで全部まかなえるわけだから、何の問題もないということである。

それにしても、とビックリさせられるのは北京の変化だ。来る度に大きな変貌を遂げている。そしてどの都市、どの国でも同じような方向性を「国家発展」の要としていることがおかしい。ただひとつ、ここではまだ、言論の自由は制限されているということである。情報も国家の統制下にある。それがインターネットなどを行うとよくわかる。ツィッターは使用不可。ブログにも繋がらない。個人が自由に公的に発言する場は制限される。グーグル撤退もなされた。チベットやウイグル自治区のことなど、いわゆる少数民族のことなどもすべてカットされて放送されているという。
中国のパフォーマーたちは、日本のパフォーマーに比べ自分たちは弱いと思っているようだ。日本のダンサーには強さがあるという。なるほど、一部を見れば確かにそうだ。数ヶ月前に福岡でワークショップをやった、ここの主の一人であるウェンフイさんは、日本の女性たちは強いと言う。とてもストロングだと。なるほど、と思う。パーソナルな部分では強いといえるし、かつ、女性、それも年齢が高い女性ほど強さがあるだろう。まだまだ個人に限って言えば、そう言える。ただ、海外公演を中心に活動してきたというシャオツーは、今は海外からのオファーは多くキャンセルし、北京での活動に重きを置きたいという。それは、この激動の中国にいたいからだと言うのだ。ここなのだ。激動の中国にいつつ、加えて海外を相対化することができる強みがあり、それをうまく乗りこなせれば、非常に良いアートが生まれる可能性がある。つまり、パーソナルでありつつも、社会を相対化しつつ動けるということなのだ。日本の弱みは、この社会という枠組みが非常に狭い。日本の社会は世間である。世間的視野しか持ち得ないから、今の情けないほどの政治状況が生まれていく。世間の中にあっては強いかもしれないが、社会に出たら本当に卑小な存在でしかないという事実のなんと多いことか。
中国のパフォーマー、日本のパフォーマーと一概に言うことは大きな危険が伴う。しかし、置かれている環境を思うと、いかに今、日本のアーティストたちが卑小化しているか、思わざるを得ない。それはアーティストとは、もちろん限らない。どれだけ世界が国際化に向かっても、日本は限りなく世間意識でしか、動かない。悲しいかな、すべからくそうである。経済面だけは、激動の競争下に置かれるわけだから、そんなのんびりしたことは言っていられないだろうが、それでも戦略が乏しい。そしてその戦略を後押しする国家戦略が弱すぎるのだ。官僚たちによるものは常に目先の戦術にすぎない。戦術の方が見えやすいことも事実である。
中国は、民主的に問題を解決する必要がないから、国家的に必要だと思った事は、良かれ悪しかれ、すぐに実行可となる。だから解決に動くスピードはきわめて速い。

5日間、毎日5時間ずつ稽古をし、最終的には45分の作品となった。見に来てくれた方々が口々に深く心を動かされたと言ってくれた。
ワークショップ以外に国際交流基金北京日本文化センターでレクチャー、同じくリビングダンススタジオでレクチャー(今は政府によって暖房が止められるらしく、異常なほど寒い。リビングダンスでのレクチャー時は3時間も話しをし、だんだん唇が震えてくる感じであった。3時間も英語でレクチャーをするのはかなりしんどい作業ではあった)、そして最後に観客とのトークセッションがあり、パーティーがあって、なかなか充実というか、大変ではあったのであるが、楽しかった。

途中でパソコンが壊れ、それもちょうど二回目のレクチャーが終わったすぐ後だったのでまだ良かった。これでレクチャー前だったら非常に困った事態になってしまっていた。
ただ、非常に困った。すべてのデータが壊れてしまっている。

是非とも、知人の皆様、メルアドや住所等、お知らせください。
バックアップもずいぶん昔にとったきりになってしまっているので。
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by kikh | 2010-03-27 12:08 | 日々の記録
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