今はベルギーで活躍するダンサー、イェヒョースンと一緒に何本か作品を作っているが、あの男はすごかった。身体が自分の速さに悲鳴を上げるのである。つまり自分自身のコントロール以上の速さや切れを持っていた。それでいてひょうきんさも持ち合わせ、韓国社会では逆にはじけ出される奔放さもあったから、僕とも気が合ったし、すぐに韓国を飛び出し、ベルギーに行ってしまったのだろう。韓国は面倒な社会だが、であるがゆえに、そこに安住した人にとっては、守られた社会ということになる。
日本はそこまでではない。だが、ふやけている感触がすごく強い。