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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
東アジアの憂鬱
 思えば、私が香港に滞在していた間も、香港では反日デモがあったらしい。しかし、まるでそういう雰囲気を体感しなかった。香港では、反日どころか、平仮名の書かれた店が多く、台湾と同じく、やはり日本に対するシンパシーなのか、憧れなのか、そんななんともほのぼのとした雰囲気がまだまだ漂っていて、反日らしい雰囲気はゼロとしか言いようがない。一方では、確実に中国化しているらしい。けれど何をもって中国化と言っているか、いまいち定かではない。確かに英語が少し通じにくくなりつつあるような気がしたが、思えば昔からダメな人はダメではあった。だから、気のせいかもしれない。
 ただ、上海灘という店ができていて、これはビビアンタム等のデザイナーと一緒で、中国テイストを洋服に当て嵌めた服のブランドである。僕も欲しくてたまらなくなったけれど、値段を見て諦めた。中国服と西洋の衣服の合体のなんとも素敵なこと。色味もそうだが、形も不思議と合致する。この店は空港にもできていたので、帰りもブラリと寄ってしまって、危うく購入しそうになった。でも、値段は中国ではなく、西洋そのものである。

 それにしても東アジア、である。
 北朝鮮、韓国、日本、中国、台湾・・と危険度はますます大きくなっているように感じられる。近くのアジアとうまくやっていくことは大切であるが、その距離は開いたり閉じたりしつつ、だんだん変わっていくものであろう。とは言え、コミュニケートする難しさばかりが互いの国策と絡み合って浮き彫りにされてくる。まあ、コミュニケートそのものが国策であるとも言えるけれど、しかし、中国は大国意識をひけらかし、日本も自己主張を曲げず、韓国もまた理と情をごっちゃにするという何が何やらさっぱりわからないような状況が展開されている。この東アジア圏の難しさは、内側へ内側へと向かう精神性にあるのだろう。

 先日、P.A.I.の入所試験があったが、好きな本としてまったく同じ本を挙げている人たちがいた。それも決してメジャーではない岡本太郎
東アジアの憂鬱_c0036263_75625100.jpg
の本で、最近は僕の周りでは、岡本太郎と言う人が少なくないことに驚く。なぜ今、岡本太郎なのか?とは言え、次回のメルマガでは再び岡本太郎の本を書いてくれ、という要請があるので書かなくてはならないのだけれど。岡本太郎の良さとは、やっぱり今の人たちから見るとかなり奔放に写る点なのだろうか。岡本太郎にならうわけではないが、再びホームページ上で質問コーナーを設けるつもりである。答えるのが楽しいわけではない。いや、少しはあるかな。答えが楽しいというより、おれは何を考えているのか、とそういうきっかけにはなるからである。
 
 今、僕自身の写真展の話が進んでいる。とは言っても、技術との追いかけっこ状態であるから、もっと何とかせねばならない。せねばならないことが次々と追いかけてきている。
by kikh | 2005-04-19 07:58 | 日々の記録
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