★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
「白雪姫」「三人姉妹」国内ツアー
 昨年11月下旬から来月16日まで、全国10カ所での「白雪姫」「三人姉妹」ツアーを実施している。そのうちの9カ所が終わり、残りは来月16日の佐世保での「三人姉妹」を残すのみとなった。
 舞台というのは過酷なもので、20ステージ以上をやってきているが、しかし、満足できたステージは一回もない。もちろんある程度以上のクオリティは保てているとは思う。それが前提である。そしてそのためには、僕は常に「飽きたと感じた地点が出発点」と言い続けてきたし、実行してきた。でも、多くの舞台というのは「飽きる」ところまで磨く前にステージに乗せてしまっている。これが大きな問題だと思い続けてきた。
 舞台は毎日のように変えている。ほんの少しの変化なんだが、その磨き込みの精度こそが重要だとの思いがある。ほんの少しのところですべてが変わってしまう。今のサッカー日本代表の試合を見ているとよく分かるのが、そのちょっとしたところの精度、そしてそのための稽古こそがきわめて大切だということである。一昔前の、それこそ中田英寿が活躍していた頃の日本代表というのは、その精度がなく、ゆえに決定的チャンスを作り出せない状態が続いたのだが、今はまるっきり違う。大きく変化した。透けて見えてくるのは思想である。そして思想に裏付けされた精度であり、稽古である。もちろん観客はただただ熱狂して見るだけだろうが、そのちょっとしたことをするための稽古というのは、これは実に地道な作業で、その地道さをどこまで持続できるかが問われる。
 けれど、たいていはそこまではやらない。舞台もそうで、やらない。サッカーの三浦カズが凄いのは、あの年になってまで、精度を高めて行こうとする意欲に満ちている点だ。ヒトはこうでなくちゃいかんのである。ヨイヨイになる頃、さらに精度を高めて必死になれるとは素敵なことだと思うのである。俺もよぼよぼになって、必死であることを望んでいる。消えゆくように死に至るなんてのはまったく理想ではない。
 それはともかく、舞台の大変さは身に染みて分かる。分かるけれど、身を投じたからには、と更に勢いづいていきたいじゃあないか。

 昨日の兵庫県立芸術文化センターの中ホールは、日本の中では最高位と言ってもいいほど音の良い、見やすい劇場だと思う。あんなに音の良い劇場は日本では出会ったことがなかった。スッとパフォーマーの声が入ってくる。音楽もまた、非常にスッキリと聞こえてくる。だけど、やっぱり前日の17時入り、翌日15時半の公演というのはダンサー連中にとっては大変だった。大変すぎくらい大変だったと思う。半ば死んでいた。しかし、さすがにベテランで、公演の中盤にさしかかる頃から、俄然、力がわき出てきたように見えた。
 まあ、少し、スッキリと休んで欲しい。と思いきや、白井は山口情報芸術センターで稽古だという。ほっほ。これで戻ってきて、また、病気にならねば良いが、と思う。
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by kikh | 2011-01-31 11:11 | 舞台
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