★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
4/30 わらび座二日目
 28日、マレーシア舞台芸術界の重鎮、クリシン・ジットさんが亡くなった。
 クリシンとはそう何度も会ったわけではない。ほんの5,6回程度だろう。マリオンデクルーズさんとは仲がいい、というよりも僕は何度も一緒に仕事をしていて、こちらもマレーシア舞踊界のドンみたいな女性だが、そのマリオンの夫であった人がクリッシンであった。
 危ないとは聞いていた。しかし、何度も何度も聞いていたので慣れっこになっていて、今度も大丈夫だろうと思っていた途端に亡くなったと聞かされた。
 やっぱり天命である。冥福を祈る。


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 朝、早く、昨夜、一緒に飲んだマザーズシステムジャパンの社長である首藤さんと奥方、わらび座デジタルアート部門長である長瀬さんと奥方、私の四人で片栗の花を見に行く。一斉に咲くのが素晴らしく美しいというので見に行った。写真の通りである。

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 紫の花が片栗の花で、片栗粉は片栗の根を挽いたものなのだそうな。知らぬ知識。やさしげで、朝、下を向いていた花びらがニュッと起きあがってきて、くるりと上を向くのである。そのさまをつぶさに見ることができ、なんともほくほくとした気分。



 戻ってきて、長瀬さんにモーションキャプチャーの説明を受ける。
 モーションキャプチャーというと、ゲームなどでの動きに実際の人の動きをモーションキャプチャーで撮り、それに肉付けをし、ゲームキャラクターにする、ということがよく行なわれている。興味ある技術ではあるし、これでいろいろなことが可能となるだろうことも容易に想像が付く。ただ、使い方の難しさがある。何でも新しい技術を使えばいいというものではない。ましてや舞台だと身体とのかねあいがある。もちろん面白い使い方は思い浮かぶ。だが、コスト的にどうなのだろう。長瀬さんは安いと言っていたけれど・・・。そしてあとはアイデア力だな。

 午後はわらび座の舞台を観劇。「よろけ養安」という作品。年間、ここで280ステージも行なっているのだから、驚くほどのことではないが、この「よろけ養安」、再演で今年4月半ばから8月末まで行なう。ほぼ4ヶ月半。130ステくらいやるのである。こりゃすごい。やっぱりすごい。この秋田県田沢湖町にある700の劇場を使っての130ステなのだ。
 わらび座のことを知っているつもりでいて、実はたいして知らなかった。というのは、わらび座というのは、僕は民族芸能に根ざしたミュージカル劇団だとばかり思っていた。だが、それこそがここ10年の新しい流れだそうで、その前は完全に歌舞団だったそうである。歌と踊りの集団と言えば分かりやすいだろう。

 だが、この「よろけ養安」であるが、素材の確かさと同時に問題を感じたのも事実である。作品の作りにまだ甘さがあることも否めないと思った。オーバーになる演技も気になる。そうは言っても、足腰の決まり具合やら確かな技術にとても大きな可能性を感じた。こりゃあ、もって行き方によってはかなり素晴らしくなるだろう。だが、一番大きな問題はどういう方向性で作品作りを行なって行くのかだ。大量観客動員を目指し、マーケット至上主義で行く限り、どうしても安全圏狙いになる。だから、今までの作品を見ると、作家、演出家、音楽家、美術家等の選び方が、かなり安全圏狙いだ。安全を狙うことは必要だろうし、それはそれでいいと思うが、それ以上は望めないということでもある。とは言っても、400人もの社員を抱えているのを思うなら、どうやって客を獲得し、作品を古く、同時に新しいものにしていくかが問われよう。ううむ、これは難しい問題だ。僕にとっても感じ入ることが多い。ほとほと頭が下がる思いである。

 夕食を是永さん、広報統括ということになっている菅野さんと一緒に摂る。本当にふたりともわらび座の舞台が好きで好きで仕方がないという感じだ。制作のこういうメンタリティの強さは心強いものがある。ついつい二人をうっとりと見てしまっていた。

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 角館の夜桜見物。是永さんに連れてきてもらった。ありがたい。
 写真の通りと言いたいが、ちょっと暗すぎて、なかなか写真に収めるのが難しい。三脚など持っていっていないので、暗いととたんに厳しくなる。
もう数日遅かったら最高の夜桜が拝めただろう。ううむ、せっかくの角館の桜だった。だが、これて良かった。とても良かった。
 武家屋敷沿いのしだれ桜は3分咲きといったところ。川沿いの桜並木は咲いている木と咲いていない木ではっきりと分かれている。そしてそこに夜店がたくさん出ているのだが、これが昭和を感じさせて楽しかった。
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 本当に気持ちのいい空気を吸い、ここの温泉ゆぽぽの湯につかり、なんとも気分のいい東北の一日であった。
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by kikh | 2005-05-01 23:16
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