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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
9/28 インド最終日
27日、夕方6時に最後のメールチェックをしていると、素晴らしく嬉しいニュースが飛び込んできた。来年のアメリカ、ニューヨークで、僕たちが最もやりたいと思っている劇場、ブルックリンアカデミーオブミュージック(通称BAM)からの正式オファーがあったというのだ。これは最高に嬉しい。

浮き浮きした気分ではいたが、どうも鼻水が止まらず、頭も痛くなってきた。
これで、18時20分にはデリー行きのバスは出発。ありゃりゃ、である。なぜなら、本当は18時半発、と聞かされていたのだ。少し早めに出て良かったどころか、全然、時間に関しては適当で、言っていることもどこまでが正確なのか、分からない。バスステーションからこのバスが止まっているところまで50メートルと聞かされていたが、実際には200メートルくらいはあったのではないか。まあ、この程度のことは日常茶飯事なんで、インドでは余裕を見ないとヤバイ。これでバスが行ってしまったら、帰国便に乗ることもできない。
バスに乗り込んでみると外国人は私を含め、ふたりしかいない。インド人が4人、あとは全員チベット人のようであった。俺の隣はチベット人の太った女性で、いやあ、きつかった。この人からもチベット人か?と不思議そうな顔で覗き込まれた。この状態で、延々14時間、ガタピシ道路と曲がりくねった道路を走り続けるのである。こりゃあ、体調不良の身にはこたえた。足は痛くならなかったので良かった。腫れはまだあるが、痛みは出ていない。
途中休憩も2回あって、少しは膝も伸ばせたが、デラックスバスが聞いて呆れるくらいひどいバスであった。もう身体が小さい人でないと、気分が悪くなってくるだろう。エコノミークラスの座席どころじゃないのだ、あの狭さは。とは言え、インドの普通走っているバスに比べれば、メチャクチャ快適ではある。なんせ、まるで家畜を詰め込んで走っているような感じである。こちらのバスは。

朝8時にコンノートプレイスに到着する。
コンノートなら、朝だし、安宿は山ほどあるので、まだ安全だろうから、とメインバザールへ向かった。6時間だけでいい。いくら?100ルピー。だいたい280円だ。じゃあ、いいや、それで、ってんで6時間ほど、オンボロホテルに泊る。床をネズミが走っている。
メインバザールのこの混沌として雰囲気は嫌いではない。とってつけたような中途半端なキレイさなどさらさらなく、生な感じがいい。掃きだめ、と言っていたオッサンがいたけれど、まあ、いいじゃないか、それはそれで。
朝飯を食いに、いつものラッシー屋に向かう。ここのバナナラッシーは絶品である。それからナン風のクロワッサンを食う。クロワッサンとは言ってもモチモチしていて、うまいんだ。もちろんフランス風クロワッサンもいいのだけれど。やっぱりそしてデリーに来るとチャイが美味い。カシュミールではカシュミールティーだったし、マクロードガンジでは、メインティーが何かはっきりしなかった。ブラックティー、ミルクティー、チャイ、珈琲とどうも何がメインかはさっぱり分からなかったが、デリーではなんと言ってもチャイだ。

今回は結局、南インドには行けなかった。
それにしても、とつくづく思うのは、やっぱりデリーは最初の二日くらいは宿を決めておいた方がいいと言うことだ。外国人と見るや寄ってたかって、変なヤツが金を取ろうと待ちかまえている。こんな都市はない。夜到着するとますますだ。どうしようもなくなる。対応ができなくなる。暗いし、不気味だし、インド人嘘つきだし、いろいろと、あの国がヤバイ、ここがヤバイと言ってもデリーほど酷いところはそうそうないだろう。だからこそ、わざと何も決めずに来たりする。こいつら、と思いながら、やってくる。

午後3時に国際交流基金デリー日本文化センターで所長の深沢さんと面会。なんでも事務所から文化センターになったそうだ。ということは大きくなったと言うことであるから、何かと今は物いりだと思う。しばらくぶりに日本人らしい日本人に会った気がする。インド人の持つ嘘くささがなくなっていてそれはそれで面白い。
いろいろとインドの文化状況について聞く。インドでの公演の可能性も打診する。どうなるかは分からない。が、こういう混沌の街で公演するのも面白いではないか。パパ・タラフマラはさまざまな場所で公演してきているが、インドは特別だ。ニューヨークとは対局の意味で、だが。
専門員の鶴留さんと夕飯を食う。それから空港まで送っていただいた。

こうして、チェックインし、インドらしからぬラウンジで書いている。
おお、疲れた。風邪で鼻がグチュグチュ鳴っている。一路、成田へ、である。
by kikh | 2006-09-29 11:46 |
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