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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
2/21 きれいなシンガポール
 シンガポールへ来たのは、無料航空券の期限が3月半ばまでであり、かつ、台本書きの必要に迫られているからである。文章を書くのは、なかなか東京にいると難しい。いや、文章書きならば良いのだが、台本書きになると、ひとりになって、じっくりと考え続けることが要求されるのであるから、どうしても煩雑で、余計なことに神経を使わなければならない東京を出たくなってしまう。東京にいると、本当にたくさんのことをしなければならない。心配事もたくさんあって、なかなか集中できない。海外に出るというのは、いろいろと歩いていてもひとりしかいないから頭の中はさほど、気を散らす必要はないという利点がある。
 シンガポールは、書く場所に苦労しないという点で、とても助かる。観光で行くにはいいが、パソコンを広げる環境にない場所には行きにくいのである。シンガポールも堂々とした先進国であるから、パソコンを広げるにはとっても楽だ。

 昨夜のあのギョッとするような状況から醒めたかのごとく、朝はすっきりだろうと思いきや、朝9時になっても立っている立ちん坊がチラホラと見て取れる。朝っぱらから売春行為を行ない、当然、売春も需要と供給があって成り立っているのだろうが、なんともスゴイもんだと思いつつ、古い町並みの残るゲイラン地区を見て回るが、実に美しい建物がチラホラと見かけられる。プラナカンと呼ばれるシンガポール独特の、中国、マレーを中心にさまざまな文化が寄り集まって、新しく創出された文化と言っていいと思うが、その建築物がここには残っているのである。
ここはそもそも昔からの繁華街であったらしいが、なにゆえに、このような風俗地帯になってしまったのだろう?だが、ずらりと並んだ中華料理屋などなど、ともかく美味い物を食わせる一帯としても名を轟かせていると聞く。
 ただ、どうしてもイヤアナ感情が残る。面白くもあるが、パソコンを広げたくなるような感じではないのである。やっぱり移動することにした。ブギス地区へ行く。ホテルを数軒廻り、デラックスルームしか空いていないというホテルだったが、6,500円くらいなので、そこにする。目の前に公園が広がって、緑が目に飛び込んでくる、なかなか良いホテルだ。昨日のホテルとは雲泥の差。でも、明日にはチャイナタウンのホテルに移動しようと思っているが。まあ、きれいすぎる難点があるのだ。ホテルが、ではない。地域が、だ。
ここに来るともう、先進国シンガポールだ。やったらときれいで、愕然ともするし、このきれいさに抵抗感も起きてくるが、ブギスだのオーチャードだのシティホールだの・・・と、こういう地域はシンガポールの顔の地域だから、シンガポールのあり方そのものが如実に出ていて面白い。
 それにしても、びっくりするほどきれいな街である。これは当然、疑問符もついて回る。シンガポールという小さな島、小さな原石を磨き上げていったら、こうなった、という感じである。磨いて磨いて磨き抜いていく。これはどうなってしまうのだろう、そう思わせる。香港も本当にきれいになったと思うけれど、比ではない。香港も上海もまだまだ猥雑さを秘めている。もちろんゲイランみたいな地区もあるのだろうが、総体としてみたら、シンガポールは異常なほど管理された国家である。だから、サラリーマンもずいぶん日本と似た印象を受けるが、さらに、背筋をピンと伸ばし、バリバリに仕事をしそうな連中が多いのにはビックリする。

 とにかく、マレーシアに行こうと思っていたけれど、シンガポールにじっくりといたことがないので、一週間滞在してみるのも手かな、と思う。

 それにしてもJapanese Yenの価値がどんどん下がっている。アジアの中では円が強かったはずが、ずいぶん様変わりしている。2年前までは1シンガポールドルは70円だったのが、今では両替すると82円~83円にまで落ちている。13年前、ニューヨークにいたとき、円高で、1$が90円程度で何を買っても買わねば損、みたいな感じだったが、今はもうそういう感覚はゼロに等しい。
by kikh | 2007-02-22 10:10 |
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