多摩美の授業を行なったあと、「三人姉妹」の稽古のため、森下へ。
橋本の稽古後ということもあるとは思うが、それにしても、白井、関口、タマオの三人の呼吸がぴったりと合っているさまは感動ものである。こりゃあ、これを超えるのは容易ではないどころか、頭を抱える事態ではある。稽古でさえ、ため息が出るほど素晴らしい。このトリオが、今度のシンガポールで終了というのはなんとも寂しい限りである。というよりも、これだけの息のあいかたは、稀に見る、と言って良い。職人の息に達している。
だからこそ、橋本は、ガムシャラにならないと無理だ。どうも人間とは自分の範囲でのみ、考え、感じ取る訓練をしてきているが、その程度では埒があかない、ということである。必死になること。と、橋本に質すと「死ぬ気でやります」と言う。「いつも言っているじゃないか」と言えば、「死ぬ気でやる」と言ったのは初めてです、と言う。このような禅問答をやっている限り、何も変わらない。そのメンタリティを変えないとウウム、進んでいかない。