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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
5/21 旧島津邸に行く
 今度の「トウキョウ⇔ブエノスアイレス書簡」イメージ写真撮りの場所について、思いを馳せている。

 今日は、清泉女子大学内にある旧島津公爵邸に行ってみた。
 こちらは今でも大学の授業の教室としても使われているとのことで、よって、旧前田邸のようなよそよそしさはなく、なんとなくだが、生きている建物という感覚を持った。なんでもそうで、保存するのが目的である場所というのは、やっぱり古いだけの建物になっていて、それは生き生きとはしていないのだ。

 ペナンやマラッカの建物が面白いのは、今と昔を同時に感じさせるからである。
 滲み出る古さ、そしてその艶めかしさは、やっぱり使われていないと出てこない。
 僕は文化というもの、すべからく同じだろうと思う。常に重要なのは、境界線に立つこと。境界線に立って始めて見えてくるものがある。つまり、それは両方の立場であったり、意識であったり、同時にその難しさが、である。
 伝統だけに拠っていては見えてこないものがたくさんある。しかし、伝統というか、歴史を意識しないものは、本当は弱いのも事実だ。その視点を常に意識しないで、いいものなど作れるはずがないとも言える。
 そして、同時にその両方の神髄を探ることも大切だ。

 夜は事務所に行って資料の整理を行なうが、実に大変。不要なものを取っておいても仕方がないが、なかなか捨てられない、と、みな、取っておく。が、その8割は不必要なものばかりである。25年もやっていると、いかに捨てるかが問われる。捨てずに済ますことができるような財力があるはずもないから、捨てなければいけない。でも、実は簡単なのだ。あったことすら気付かなかったものはまったく不要と言えるということだ。滅多に、いやあ、取っておいて良かった、などというものには巡り会わないものである。

 昔のアンケートがざっくりと出てきて、わずかばかり読んでしまった。まったくアンケートというのはしばしば実に不愉快にさせてくれる。だからほとんど読まない。
 WDのアンケートで、ある24歳の若者が、私に向かって大人になれ、と言っているのである。青い、とか書いている。何が青いかは書かない、だってさ。もっと大人の舞台を見て勉強しろ、とまで言っている。まあ、いろいろな人がいるが、しかし、もう少し謙虚になることを覚えないとねえ、24歳で、よくぞ、分かったような顔が出来る、と感心するが、24歳の若者だからできるとも言える。若者は元気がよくなくてはいけない。しかし、常に、と言っていいほど、批判するときは匿名である。なんでだろう。きちんと署名すればいいのに、と思ってしまう。
 でも考えてみれば、パパ・タラフマラの舞台とは解釈が自由なだけに、青く見えることもあるだろう。そういう意味では良いのかも知れない。しかし、解釈に限定性を与えないのは実に難しい作業だ。人は解釈の縛りが欲しいというのが一般的かもしれない。だが、解釈とは所詮、相手から与えられた内容説明なわけであって、そんなものは半分どうでも良いはずだ。しかし、難しいものだのお。
by kikh | 2007-05-22 01:20 | 日々の記録
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