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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
7/27 香港
 昨日、香港に入った。ホテルの空室は本当にない。なにゆえの人気か?
 これだけ香港にやってくる魅力はなんだろう?活気?活気が一時期なくなったが、再び、香港は盛り返し、ぎらついている。が、しかし、それはどうも表層的な経済活況のようなものであるように思う。

 今日、香港アーツフェスのプログラムディレクターであるソーさんと会って話をする。
 この人、こんなに熱い人だったのかな?というくらい熱い。何回か会っているはずだし、パパのこともとても良く知っている。松島や小川のこともとってもよく知っている。
 香港人だが、今の北京のアート界の熱さを語ってくれた。
 なにか、一緒にやりたい、やってもよい気になった。面白いかも知れない。ビューロクラティックな人と仕事をするのは辛いが、熱い男は面白い。
 そのソーさんが、持ち出した話というのが今の香港の状況のつまらなさについてだった。日本では、パパとダムタイプという・・・・と、引き合いに出されつつ、いろいろと語っていたが、香港にはレベルの高いエクスペリメンタルカンパニーというのがない、ましてや若者がみな商業路線を目指している、その状況を嘆いていた。ズニも、すっかり商業カンパニーになってしまったようだった。そういう商業化への流れは特に90年代以降に大きくなったようだ。
 まあ、日本でも似たようなものだと思う。状況はまったく一緒かも知れない。
 
 香港アーツセンターに日本の雑誌がおいてあった。ペラペラとめくってみると、ある日本の踊りの評論家とプロデューサーが対談をしていた。その内容たるや、ガッカリさせられるような話ばかりで、深いため息をついた。レベルが低い。たっぷりと反論したくなるような話が多く、こういう人たちが結果的に、全体のレベルを少しずつ押し下げていくのである。それをみなは強く認識すべきだと思う。日本には舞台界を取り巻く奇妙な人々が多く、そういう人たちは、言葉好きであり、舞台以外知らない人たちであり、一種の舞台オタクである。オタクでもいいが、とんでもなくレベルの低いオタクである。話にならない。状況を引き上げるのではなく、引きずり降ろすための言語を振りまき、まったく下手な努力をし、それをなんとなく面白がる連中が多いから、ますますレベルが下がる。そういうことだろうと思う。
 そこで、そのプロデューサーがなんて言っていたか、・・・・もう新しいものなど何もないのに、新しいものを欲している気持ちがいけない。ええ??耳を疑う。アホウ極まれり、である。新しいものなど何もない?よく分かったようなことを言うものだ。新しいものは発見してこそ見つけられる。まだ人類の歴史は短いのだ。そう言い切れる軽い頭脳を疑った方がよい。そういう人はプロデューサーなどやってはいけない。何をすればいいか、何が売れ、何が商売になるか、一所懸命、商売人に徹すればいいのである。

 なんと言えばいいか。がっくりとしてしまう。
 オタクが、オタクの意識で、批評家面し、プロデュースをする。そしてどんどん低レベル化していく。こういう連中がもてはやされる。なんとも情けない。ああ、ニッポンである。

 香港。街をぶらつく。物価は来る度に上がり、街はキレイになり、昔のオンボロの面影がどんどん影を潜めていく。違うなあ、違うなあ、と思いつつ、街をぶらついている。
 と、すぐにぐったりするような疲れが襲ってくる。暑く、そしてムシムシする。熱気がグワッと押し寄せてくるようで、ウンザリさせられる。
by kikh | 2007-07-27 22:55 | 日々の記録
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