★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
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12/30 今年最後の稽古
 「Nobody」の稽古を行なう。
 毎回毎回、説教タイムがある。しばらくぶりだ、こんなに文句ばかり言っているのは。文句を言ったからといってスッキリするはずもなく、まったく疲れるから言ってる方も実に嫌な気分を味わう。だから文句など言いたくはないに決まっているのである。
 それでも言わざるを得なくなるのは、コミュニケーション能力の欠如は根本的に舞台に載る気があるかどうかが問われるからである。みんな、ぶつかり合わない。だから、なにをどうしたいのか、見えてこないのだ。互いに互いを甘くかばい合って、強く良い関係性を結ぼうとしない。これは大問題である。強い関係性を作ろうと思ったら、必ずコンフリクトも起きてくるだろう。しかし、ぶつからない。相手を思いやるというより、自分自身が嫌われたくないのだろう、だから決して強い言葉を吐かない。みんな、異様に優しい。さらに突っ込めば、他人に無関心である。だが、他人に無関心で舞台などできるはずがない。人に優しいのは、決して本当に優しいのではなく、表面的な軋轢の回避から来る、表面的な気味の悪い優しさであって、本当は冷たさ以外のなにものでもない。
 いつの間にか、時代はこういう気味の悪い優しさ、冷酷さの時代に突入してしまっている。
 たぶん皆、文句を言われたり、堂々と張り合ったりすることは少なかったのだろうなあと推測する。次第にそんな風になってしまっているのだ、時代は。
 まったくもって、これは日本全体の風潮であるからして、たいていは大して気付かず、うまく砂糖をまぶした辛辣さに笑っている時代であるから、なんとも薄気味悪い。稽古をしていてこういう薄気味悪さを味わうことが確かに多くなっている。
 
 そして日本の状況を見ても同じである。いろいろな意味で遠回りをしているような暇はないのであるが、選挙は先延ばし、先延ばし、自民党の取りあえずの延命だけに汲々とし、大計を立てるなんてとんでもない、取りあえず取りあえず、とウヤムヤにするような雰囲気で動きを作るのか作らないのか、分からないような政治の状況。省益ばかりの省庁、どこにも希望はないようなイメージばかりが膨らんでいく。日本という総体は、単体で踏ん張っても潰されるだけであるから、やっぱり一致団結せねばならない。オバマを大統領にできたアメリカは、そういう意味ではやはり頭が下がるのである。希望が、それだけでも見える。なぜなら、歴史的な大転換を、この時期にやってのけられたという意思が強く伝わるからである。日本は完全な無責任国家に成り下がってしまった。ドンドン酷くなる。酷くなることは気付いていて、文句だけは言っても本当に立ち上がらない。もっと政治に誰もが踏み込まないと、沈没の一途である。こんな国に誰がした、オレたちがしているのである。
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by kikh | 2008-12-31 17:08 | 日々の記録
 
12/27 稽古二本
 毎日、稽古二本を掛け持ち移動。
 「プリティ・ドンキホーテ」と「Nobody, No Body」の二作品。

 「Nobody」は遅々として進まず。進めるよりも、今後の切り込み作品としての位置づけゆえ、じっくりと最初は行った方がいいと考えている。だから、今、一年数ヶ月も先の公演作品の稽古を行なっている。この作品はサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」をベースにしていると言えば言えるが、90パーセントは違うから、ではいったいなにが「ゴドー」なのか?と問われると困るのだけれど、しかし、見終わったあとは、ウーン、これはゴドーかも、と思わせるような作品にしたいと考えている。ゴドーとは記憶の染みついた世界と考えればピッタリはまってくる。記憶が染みつくとはどういうことか。それは場所の記憶であるから、放浪の民にはなかなか分からないかも知れないが、放浪は放浪でも、勝手に好きなところに行っているつもりでも、まったく違う場所にはなかなか行かず、似たようなところを回る傾向があるのが人というものである。それもまた、場所の記憶を求めているようにも思えるのである。

 「プリティ」はこちらは、表面的には滅茶苦茶明るい。そういう作品にしたいと考えている。
 今年度の研究生連中は、今までで一番、活気に満ちているし、休みがない。特に1年目の人たちの休みが全然ない。これは本当に画期的である。2年目以降がその点、甘い。甘いと時間は刻々と過ぎ去り、結局、もったいない羽目に陥るから、そのあたりの自覚を強く持って欲しい。
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by kikh | 2008-12-28 09:03 | 日々の記録
 
12/25 稽古
 フィリピンから戻ってくると、日本のクリスマスは、まったくの偽物だと知る。知るが、それで楽しんでいるのだから、まあいいやと思うと共に、うすら寂しくも思う。上っ面の浮かれ具合は恥ずかしくもある。だって自分たちにとってやっぱりなんの根拠もない祭りであるからだ。

 今日から稽古。P.A.I.の卒公に向けて「プリティ・ドンキホーテ」初稽古と再来年3月公演の「Nobody」。まあ、みんな、精々励んで欲しい。

 朝からミーティングを行ない、稽古二作品を終了するともうグッタリであった。
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by kikh | 2008-12-26 18:40 | 日々の記録
 
12/24 帰国
 フィリピンにいると、ここはキリスト教の国であることを実感する。
 ところがキリスト教が入る前はイスラムの国であった。それもたかだかここ数百年の事に過ぎない。
 教会に足を運んでしまうのは、人間は出来損ないの存在であることを実感するからでもある。キリスト教という宗教が果たしてきた殺戮に思いを馳せ、支配の道具とし、武力以上に心を変えるためにキリスト教が果たしてきた役割は大きい。
 セブにはセントニーニョ教会というのがあって、これは子供キリストを崇拝する教会で、小さな子供人形をありがたがって、みんな熱心に祈るのである。フーム。なんだろうねえ、これは。

 宗教や芸術を論じると、文化論になる。そしてそれは当然、欠落した人間の話になる。

 今朝、セブは少し雨が降っていた。
 11時15分発のセブ⇒マニラの飛行機でマニラの空港着が12時50分。それから延々と荷物が出てこない。次にはシャトルバスが来ない、しょうがないのでタクシーに乗ると、メータータクシーと書いてあるにもかかわらず、平気で吹っ掛ける。最初は500だという。はらわねえぞ!と言ってやったら、300に下がり、次に200に下がって、最終的には100ペソで良いという。本当は90ペソだが今日はクリスマスだから、とわけのわからんことを言っている。10ペソのプレゼントをくれ、ということだろうが、そんなのばかりだ。ホテルでの支払いでもクリスマスだと言って3ペソ取られるし、なにかにつけてクリスマスにかこつけ、金を取ろうとする。
 しかし、フィリピン人はまだかわいいものだと思う。インド人に比べれば比較にならないほどカワイイ。ただ共通しているのは、信用しちゃダメということである。あいつらの言うことはどこまでが本当か、分かったモノじゃない。もう目先しかない。

 帰国は22時ちょい前。疲れる。
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by kikh | 2008-12-25 01:05 |
 
セブ
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今日は午前中に研究生、卒公台本も書き上げてしまい、ホッとして、セブシティをブラブラ歩く。
歩いたあとは、ここで一番うまいと言われているらしいフィリピン料理屋へ行く。
確かにうまい。蟹を一匹、ビールと野菜炒め?煮付け?とマンゴーサンゴを食って、こりゃいくらになるんかい、と思っていたら(蟹は時価だったからだ)、総額860円くらいで、日本食やイタリアンを食うより安く上がった。
上記の写真は、市場の風景だが、どう見てもここは特殊な場所だ。夜になるといかにも危険だろう匂いがプンプンしてる。
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by kikh | 2008-12-24 02:09 |
 
12/22 セブシティへ
 マラパスクワを後にし、セブシティへ。
 朝10時半に出て、セブシティのノースバスターミナル着17時20分。行きと帰りではバスの混み具合と交通渋滞がまるっきり違い、行き3時間半、帰り5時間10分かかった。
 そこからうろうろとホテルを探してチェックインは18時半。それにしても安い。ここはいわゆる中級ホテルだろうが、900ペソ。1800円しないのである。少なくとも日本のビジネスホテルよりは良い。
 
 到着後は、ずっとメールチェック。部屋に無線ランが繋がっていたので、非常に助かった。
 
 セブシティはどういう街か、まったく分からない。飯を食っただけだが、物価は安い。マニラよりもマラパスクワよりも安い。フットマッサージをしてもらうと1時間150ペソ。300円しない。是非ともボディマッサージをしてもらいたいのだが、実は日焼けのため背中が痛くて仕方がない。フットマッサージの最後に背中をやってくれたが、痛みと気持ちよさでは痛みの方が遙かに勝っていたので、この安いマッサージを受けられず、残念だ。

 帰りのボート、バスで一緒になったスペインのカップルがいて、彼らは1年かけて世界中を回っているのだとか。その荷物と言えば、ひとりあたり大して大きくないリュックひとつずつ+小さなリュックひとつ。これだけである。驚いた。1年の移動荷物がオレの荷物より少ないのである。そこにはカメラもパソコンも入っているのだから。思えば、荷物とは増やそうと思えばいくらでも増え、減らすことも限界まで可能だということだろう。参考になった。
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by kikh | 2008-12-23 08:28 |
 
12/21 マラパスクワ4日目
 見ていると、ホテル等でサーブする女の子たちの西洋人へのまなざしとオレのような東洋人へのまなざしの違いにハッとする。西洋人へのなんともへりくだったような態度が如実で不愉快になる。このようなメンタリティは長い時間をかけて熟成されたものなのか?どうなんだろうと疑問に思ってしまうのだ。まあ、このようなリゾートホテル(安安リゾートだけれど)のオーナーはみんな西洋人のようなので、西洋人に対するなにかしらの意識がどうしても芽生えてしまうのかも知れない。

 P.A.I.の「プリティ・ドンキ」は考え出したばかりでまだまとまらない。もう一日、いるかどうか思案のしどころだ。ここで一気にやってしまった方が後々楽になるのは目に見えている。セブシティはやっぱり都会だから、都会で目移りしているよりは、こんななにもないような場所の方がはるかに集中度が高い。なんにもない良さばっかりである。
 相変わらず、ネットに繋がらないと思ったら、今日は繋がると言うので早速繋げる。しかし、異常に遅い。異常だ、この遅さは。ダイアルアップよりもはるかに遅い。それでいて30分400円だ。30通受け取っただけで30分が経過した。話にならない。なんせスピードは1Kを受け取るのに数秒かかっているし、送信に至っては10Kの送信物が重くてなかなか送れないのだからとんでもない。これで30分、200ペソ!どの面下げて、こんな値段を取っているのか、信じられない。この分では3時間やっても終わらないだろうという感じなので30分やって止める。ところが、まあ、ほとんど受け取れていない。ダメだ、ここでは。やっぱりセブシティに行くしかないのだろう。明日は、もうなにがなんでもセブシティに行くことに決定だ!

 今日は、最後かも知れないと思っていたので、シュノーケリングをしに行く。この島が珊瑚に被われているというのがよくよく分かった。日本の沈没船があるところにも行き、1942年に沈んだ船だというから第二次世界大戦時である。シュノーケリングなんて大したことないと思っていると大違いで、大気中で見る世界と海の中の世界はまるっきり違っていることに本当に驚くのである。まったく違う。美しい。本当に、目玉が海面上に出ているか海面下にあるかで、まったく違う世界が展開していることは、実に驚き以外の何ものでもない。
 こういう世界を見てしまうと、いつか、なんとしてもダイバーの免許を取りたいと思ってしまう。ダイバーはいい。きっと世間の憂さをみんな忘れられるに違いない。もし、時間があったら必ずダイバー免許を取ろうと思う。1~2年以内に、だ。
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by kikh | 2008-12-22 20:28 |
 
12/20 マラパスクワ3日目
 毎日、夜中から朝方にかけてはザアザアと雨が降っている。どうもすっきりと晴れない。昼間は雨は降らないものの、どんよりと曇り、たまに太陽が顔を見せる程度である。

ネットができるだろうというところを何人もに聞いて歩くが、結局、島全体でネットができるのは2箇所。そのうち1箇所は一週間止まったままだそうだ。もう一箇所は昨日からまったく復旧しないらしい。全滅である。困った。どうしようもない事態。どうしようもないのは、ここは島なので、そう簡単にはネットに繋ぐことができる場所まで移動できない。事務所側で困っているのは目に見えるようだが、しかし、電話もそう簡単にはできそうもない。そして、さらに歩いてみると、実はジャパニーズレストランがあったのだとか。でもすぐに潰れてしまったらしい。そこでは安くインターネットカフェもやっていたらしい。安いインターネットカフェに日本食、なんだが、なんせ日本人がほとんど来ない島であるからして、日本食はいかに世界的にブームとは言え、厳しかったのだろう。あともう1箇所あったようだ。ここも、とっくにインターネットは止めてしまったという。なにゆえだろう。今時、インターネットがなければ、きつくなるのは目に見えているし、あるところは200ペソも30分で取って商売になるのである。
 よって、マラパスクワに6日間いて、研究生たちの台本も書き上げて、と思っていたけれど、一日早くし、セブシティでネット環境を整えるしかないだろうと感じているのだが、しかし、とは言え、こんなに集中できる環境もそうそうあるものではないから、やっぱりこのままいた方が良いのではないか、とも思える。P.A.I.の卒公台本が書けたら移動。書けなかったら、6日間滞在としよう。
 しかし、それまでにネット、なんとかならんもんか。ボゴに行けば、大丈夫とマルコスは言うが、ボゴまで片道2時間。往復で最低4時間だ。金も相当かかるだろう。無理だな、と判断する。待ち時間も加えたら往復5時間以上、ネットに繋いでいる時間も加えると6時間~7時間を要してしまう。

 朝、腹痛で目覚め、研究生の卒公タイトルを「プリティ・ドンキホーテ」とすることとした。そこまではよい。そしてイメージを作っていこうとしているが、やっぱり正直言って、今の研究生は男っぽい男がいないのである。男らしくない男たちと女ばかりであるから、本来は女の話をやった方がいいのだろう。「プリティ・ドゥルシネーア」でもいいのだけれど、ねえ、困った。まあ、いいか。宝塚風で。と考える。

 昼近くなって、腹痛も治まったので、マラパスクワを歩くことにした。北まで行くと南北が4キロ。東西が2キロだそうだから小さな島だ。今、南にいるのだが、北まで歩く。島の生活が、まったくそのままの形で残っていて実に興味深い。往復で10キロ程度歩くとやっぱり疲れる。疲れるが、とっても気持ちがいい。

島に観光業がもたらされたのが2000年というから、実はまだ8年くらいしか経過していない。しかし、8年間で物価含めて大きく変わったとのことだ。8年で、貨幣経済がどんどん浸透し、当然さすればうまくやった人とうまくできない人に分かれるだろう。金儲けがうまい人の方が当然、こういう場所では望ましいに違いない。だが、本当にそうだろうか?と問えば、やっぱりかなり怪しい。金儲けがうまそうなヤツに良さそうなヤツは少ない。滅多にいないと言ってもいいだろう。顔つきにしても、インド人と一緒で、外国人と見たら金づると思え、みたいな顔になってくる。
 子供たちがいい例で、歌を歌っては金をくれ、場所を案内しては金をくれ、そんな風になってしまっている。こういう子供を作ったのは、やっぱり観光業である。地元にとっては観光によって生活が豊かになるのはとてもいいことなのだろう。しかし、豊かさとはなにかだ。子供が金をせびる社会なんてつい数年前まではなかったはずだ。
 だが、子供たちと話をしていて分かるのは、セブ本島までわずか40分の距離だが、その本島へ行ったことがない子供がほとんどであった。それはなにを意味するのか?ついこの前までは子供たちどころか、親たちの多くもここマラパスクワに生まれ、育ち、一歩もここから出ることなく一生を終える人たちも多かったのではないか、と推測できる。子供たちにはせめて、自由に大きな社会を、と望むだろう、さすれば金である。金こそが自分たちを自由にする最高のツールである、と考えることを否定はできまい。だが、もっといい方法はないものだろうか。あったら苦労はしないか。しかし、青い鳥がどこにいるか誰もわからない。この島から出ていって、外で青い鳥を見つけられるのはほんの一部であろう。自分の足下をよく見定めることが最も肝心なのはどこにいても同じだ。

 最北端まで行ってみると波がまったく違った。南側は穏やかなのに、北はとても波が高い。余りに違っていたので驚く。そこにあった潰れリゾートを管理しているオバサンがいて、この人も帰り際に、自分の村で今夜ディスコパーティがあるという。今度はテニスコートをディスコ会場にするんだとか。ディスコパーティーに来い、という。無理だ。歩いて1時間はかかるから、ね。それも真っ暗ななか歩けるわけがない。聞いてみると、みんな踊り好きだ。踊って踊って。楽しく過ごそう。子供たちもディスコと聞くと、本当に浮き浮きしている。ディスコ、ディスコ・・・クリスマスディスコである。もうクリスマス一色になりつつあるのだ。クリスマスの意味が、こういうところに来ると実にはっきりと日本と違っているのが分かる。
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by kikh | 2008-12-22 20:27 |
 
12/19 マラパスクワ2日目
 ここは実に集中できる環境である。
 まず、ネットに繋げられないというのが最高に良い。電話もない。やっぱり考えてまとめるためには、雑多な情報というのはまったくプラスにはならない。テレビもラジオもない。日本人はたぶんひとりもいない。アジア人はセブからやってきたであろうフィリピン人以外はまったくいない。ここには日本人はたまにやってくるらしいが、ほとんど来ないという。韓国人の方が多いとのこと。マニラでもハングルは相当目にした。日本料理屋と並んでコリアンレストランの多いこと。しかし、やはりリゾート化すると我が物顔で歩くのは決まってヨーロピアンである。ここはドイツ人とオランダ人が多いのではないか。ひとつ、嫌になるのは音楽である。どこのリゾートでもデカイ音で音楽を鳴らしている。せっかくの波音を、と思うが、ヨーロピアンたちはどこへ行っても、自分らのスタイルを曲げず、それを取り入れながら、都合の良いエギゾチズムに浸ろうとするから不愉快になる。まあそれが商売になるからやっているだけとも言えるのだが。舞台でも同じで、彼らに必要なのは彼らにとって都合の良いというか、快適なエギゾチズムだ。だから画に描いたようなJapanならJapanが好きだし、ChinaならChinaが好きなのである。まったくしょうもねえとは思うけれど、それがヨーロピアン的指向性だからしょうがない。しょうがないがどうにも好きにはなれない。
 
 裏道を歩くと、庶民の生活がある。驚くほどフレンドリーだ。そういう姿を見ると、確かにまだまだ観光客慣れしていないのがよく分かる。嫌な顔はまったくされないし、笑みを返してくれるような島の人たち。この島には5,000人が住み、7つの村があると言う。加えて英語が通じるのでかなり楽である。蛾は一匹も見ないのに、蚊がスゴク、蚊帳が部屋には吊ってあるのだが、隙間から蚊が潜り込んできたりする。すると地獄だ。あまりに蚊だらけなんで、ちょっとした隙に入り込むのだろう。蚊がいなくなったのを確認しつつ、蚊帳の中だけで生活するわけにはいかないので、蚊取り線香を購入する。蚊取り線香一本が4円だ。マッチも4円。水は60円。ビールが40円。ここで水道水を捻ると少ししょっぱい水が出てくる。電気だって、今泊っているところでは12時~17時までは停電する。自家発電だそうだ。それでもこの島全体では、電気が逆に通じているのが夜18時~23時の5時間のみだそうだから、みんな23時になると寝るのだとか。夜はどうやったって寝るモンです、になってしまう。

 マルコスという男が何かと声を掛けてくる。要するにビジネスにしたいのだろうが、フレンドリーな態度を示すので、話をすると面白い。村のこと、島のこと、自分の奥さんと子供を紹介してくれたり、夜はディスコに行こうと誘ってくれたり。ディスコと行っても実に微笑ましい。村のバスケットコートがディスコ替わりになる。やってくるのは、村の老若男女だ。子供たちもとっても多いし、そのディスコバスケットコートの隣は、これまた、なんとも滑稽というか、まるっきり重々しくないカソリック教会で、しかし、そのカソリック教会にも血を流したキリストと死体となったキリスト像が置かれていたりするのだから、笑っていいのやら、顔をしかめた方がいいのやら。人間は実にオカシイ。
 子供たちの踊りを見て、スゴク面白かった。みんな、うまいのだ。楽しくて楽しくて、という感じが如実に伝わってくる。マルコスとはビールを奢り、奢られて、バイクで宿泊先まで送ってくれたり。なんともよいヤツである。彼の二人の姉妹はアメリカ人に嫁いでいるとかで、英語はうまい。しかし、オレはマニラまでしか行ったことがないという。

 疲れ切って戻ってきて、再びネットができるところを探すが、まったくダメ。

  台本はいちおう書き上がる。タイトルは「Garibaba’s Strange World」とした。もちろんまだ修正は入れざるを得ないだろうが、問題がある。台詞等のパートをどうやってインドネシア語化するか、である。なぜなら、日本語の言い回しを翻訳するのは相当厄介だろうと思えるからである。どうなんだろうか?
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by kikh | 2008-12-22 20:26 |
 
12/18 マラパスクワ島へ
 セブ島の北にあるマラパスクワ島というところに行くことにし、ネットで飛行機を押えたのは2日前。数回チェックしていて不思議だったのは、格安航空会社含めて、いくつかの航空会社を見てみて、最も安かったのはフィリピン航空で、それもチェックする度に値段が変わり、最終的に購入価格はマニラ⇔セブ間が往復で6,800円程度。片道3,400円である。乗ってみると最新のエアバス330で、かなり快適だった。格安航空会社の航空券は航空券自体は安いのだが、なんだかんだと取られ、フィリピンエアーよりも高くなってしまっている。それにしても何でチェックする時間で航空券の値段が変わるのか?それも僕が購入後、もう一度チェックしてみると片道2,000円ほど跳ね上がっていたりしたのだから、不思議である。片道3,400円とはかなり安い価格だ。
 
 朝6時にホテルを出て、7時半発の飛行機に乗り、9時にセブ空港着。そこからが大変で、セブシティに出、エアコンなしの猛スピードで突っ走るバスに乗って3時間半、揺られ揺られ、セブ最北端に行き、船に乗ろうと思ったら人がいないので待てと言う。約1時間待たされた挙げ句、人が集まらないので割高になるってんで500ペソを要求されるが、値切って250ペソを支払い(しかしこれでさえとても高い!!)、荒れる波の中、マラパスクワ島へ着いたのは15時を過ぎていた。いやはや疲れたのなんのって、そこで着いたマラパスクワだが、ネットやほんの少ししか出ていないガイドブックを調べてみると穴場も穴場、みたいな言い方で出ていたので充分に期待したけれど、ふうむ、別にどうということはない。確かにキレイで、確かに気持ちは良さそうだが、そうは言っても、ううむ、どうなのかなあ、って感じるのである。穴場と言えば、はるかに加計呂麻島の方が穴場で最高に気分が良かった。いまからイカ釣りをやって掛かったら今夜の夕食にはイカの刺身を出します、なんて会話があってね。

 インターネットのできる場所を探すと、島に一軒だけあるという。競争がまったくないから異常に高い。30分200ペソというのだから、異常な高さだ。30分で日本円にして400円。円高が始まる前ならば、550円くらいだろう。世界で一番高い!こんな値を付けるとは、と、ビックリ。そしていつ行っても誰かが使っていて、使えない。困った。オーナーは西洋人である。この野郎、こんなところで金儲けしやがって、と少し不愉快になる。

 思えば、そもそもリゾートらしくないリゾートを探すとすれば、島がまるごとリゾートになっているようなところでないと最もリゾートらしくて、かつリゾートが集まった喧噪から逃れるという意味ではリゾートらしくないところでないとないのかもしれない。観光客慣れして、金をいかに儲けるかを誰もが考えるようになったら、雰囲気はまったく壊れていく。ここもリゾートと言ってはいるが、一泊2,700円くらいだから、本来の快楽に溢れたリゾートとは一桁は違う。

 とは言え、台本書きははかどりそうである。一気に進みそうだ。
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by kikh | 2008-12-22 20:25 |


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