★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
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暑さ
 タイも香港も、数日前から急に暑くなった、それまでは涼しかったのだけど・・・と現地の人たちは言っていた。日本が今年は涼しいから特に、香港、タイを暑く感じるが、通常、夏場は東京も、香港もバンコクもなんら変わりない。逆に東京の方が暑いくらいである。
 しかし、本当に香港入りしてからは暑い。ゲッソリするくらい暑い。太陽がジリジリと焼き付け、地面も建物の壁面もダラリと溶けそうな勢いで、熱を放射しているように感じてしまう。
 先日のバンコク初日。あの突然、開演と同時に襲ってきた暴風雨はあまりにピッタリと嵌った効果であったために、最初は効果音と思った方が多かったようだ。舞台上からは煙が上がり、照明オペは感電し、音響は聞こえず、客席はドドドッと水がなだれ込んで330㎝も溜まり、舞台奥の幕はびゅうびゅうと吹き上がり、アラタマは舞台袖ですってんころりん、舞監はそれでも動かなければならないから全身びしょ濡れ。アッハッハを通り越し、ただただ何事もなく終わりますように、と祈るしかなくなった舞台であった。
 昨日、ラッチャブリに来てみると、まあ、田舎。楽しい田舎。しかしやはり雲行きは怪しい。
 ノンビリしてしまうが、いやはやこういうときはメールに追いかけまくられる羽目になる。結局、まるっきり休めない。来年の動きが怒濤の如く出てきていて、下手をすると来年は4回も5回も海外でのツアーやら作品制作やらがありそうな勢い。加えて、パパ・タラフマラ初の国内大規模ツアーが1月から始まり、11月からは新作「白雪姫」でのツアーが始まりそうな感じがある。なんせパパ・タラフマラの「白雪姫」である。変に決まっている。そうすると、結局、稽古をいつ行なうか、いつ台本を書くか、いつ休めるか?と予定を立てるが、まるっきり休む時間がない。ほぼゼロ!今からゼロで推移するなんて・・・・と思うが、じゃあ、どうすればいいか?取りやめるか?ウウム。思案のしどころである。
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by kikh | 2009-08-29 11:45 | 日々の記録
 
8/26 嵐
 バンコク公演初日!
 今日は凄かった。見に来た方々にとってもきわめてメモラブルな日になっただろう。
 公演が始まる前までは、ムンムンと暑く、こんなに暑い日も珍しいとパトラバディさんが言っていたくらいだった。
 公演が始まる。そのために明かりを落とす。と、効果音のように雨音がし出した。
 ここは天井がテント生地であり、横は吹き抜けである。だから、まるっきり遮音性がない。
 ここからが凄まじい公演の始まりであった。
 雨はどんどん激しくなり、雷が鳴り、風も暴風となって舞台上を駆け抜け、後方の大黒はめくれ上がり、センターでオペレーションしていても雨は吹き込んできて、すると客席横に座っている方々は濡れまくり(満席だから移動するわけにもいかない)、パフォーマーの声は聞こえないから三人とも大声を張り上げ、音楽も全然聞こえないので普段の倍以上の音量を出し、繊細さなどまるでなくなって、嵐との闘いに明け暮れた1時間となった。そのうち、凄まじい雨は客席に進入してきて、舞台最前列と二番目の客はみんな、足を客席の上に上げて見だしている。最後に僕もカーテンコールに呼ばれたが、舞台上にあがれず、舞台から5メートルくらい手前で靴と靴下を脱ぎ、30㎝もあった深い川にドボドボと足を水に浸けてやっと舞台に上がるありさま。その後、パトラバディさんから花束贈呈があったのであるが、これまた、みんな川を越えて、裸足で舞台に上がってくる。いやいやいやいや凄まじい。客もまた舞台は跳ねても、帰宅できない。嵐は止まず。そして、その川のような場所を通り抜け、大雨の中に出ていくのは到底不可能であった。
 こんな風だから、作品は良い悪いを超え、何が何やら分からず、いやはや、ともう自然の脅威の前に佇むだけとなったが、カーテンコールの反応はそれでもなお、強烈で、観客からは賞賛、絶賛の嵐。あるアメリカ人夫婦は、生涯で最高のパフォーマンスと、興奮冷めやらず。
 昨日、見ていたトビーだけが、細かな部分がまるっきりなくなっちゃったね、と言っていた。ラストシーンは空洞に自分自身が吸い込まれていくような錯覚があったが、今日は雨音が凄くて!と。そりゃあそうだ。細かな音は全然聞こえないし、凄まじい轟音の中で無理矢理やった公演となったからである。
 まあ、こんなこともあるさ。しょうがない。しょうがないけれど、このパトラバディでも未だかつて、ここまで凄い嵐とパフォーマンスが直面したことはないらしい。それも公演が始まると同時に嵐となり、終わって1時間後には何事もなかったかのような静けさを取り戻していたのだから。
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by kikh | 2009-08-27 11:52 | 日々の記録
 
8/25 ゲネ
 バンコクは暑い。こんなに暑かったか?という程暑い。
 というよりも、ひとつは冷房がない中で仕事しなければならないため、身体にどんどん熱が溜まっていく感じである。
 結局、昼間は仕込みはできない。暑すぎて何もできない。夕方からチェックを開始。このパトラバディシアターは、屋根はあるが、光を遮っているわけではないので、昼間は明るく、明かりは作れない。昨夜も照明チームは1時半まで作業し続けていたようだ。
 バタバタと動いて、夜9時からゲネ開始。夜10時以降は音を出すことができないためである。
 照明卓がおかしく、ちゃんと作動せず。
 音響も決して良いわけではない。でも、そんなもんだと思わないと、まず世界ツアーはできない。割り切るしかない。
 ゲネ後、この劇場のアドミニストレーターであるトビーが、興奮し、顔を真っ赤にしてグレートを連発してくれる。ひとりしかいない客席で、ひとりで興奮しているさまが、面白かった。
 終了後、パフォーマー全員入れての照明チェックを深夜0時半まで。
 
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by kikh | 2009-08-26 10:10 | 日々の記録
 
海外での作品制作
 この前、インドネシアで実施した「ガリババの不思議な世界」の報告は、国際交流基金が発行する(実際に書店で販売されている)「をちこち」という雑誌に書いた。一番の主眼点は、このような作品制作がいかに他国のアーティスト、そして文化を超えたコミュニケーションに有効であるか、ということである。今も、アラタマはしょっちゅうインドネシアの連中とチャットをしているという。みんな、非常に懐かしがり、またやりたいという気持ちを強く持っているとのことである。これは嬉しいことだ。しかし、それ以上に、何をしたか、それを自分たち自身で検証し、次に繋げていく動きを作って欲しいというのが僕の望みである。僕は僕で、当然、文化圏の違うアーティストと一緒にやると、別個のベクトルを持って動かざるを得ず、これが何とも面白く、そして世界はやはり広いと思わざるを得ない。世界は一様ではない。もちろん個人も一様ではない。文化はきわめて多様であることが活力に繋がる。

 思えば、日本では、このような動きに対して、いったいどんな意味があるのか?などと言う方々も多い。しかし、世界はそうではない。その意味を必死になって探し、何とかして文化の豊穣さを取り戻し、次に繋がる動きを作ろうとする人たちは非常に多いのだ。
 昨日、トビーがまた、バンコクで作品制作をする気はないか?と聞いてきた。どうなるか分からないが、可能性はもちろんある。同時に今、アイルランドでの作品制作を実施すべく動いているが、ヨーロッパの経済悪化の状況により、難しくなりつつあり、困った、と思っていたら、韓国側との話が進みつつある。日本は本当に内向きで、どうすれば世界が良くなるか、もっと我々は真剣に考えねばならないとヒシヒシと感じるけれど、でも多くは安穏とし過ぎている。
 目を開かねばならない。
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by kikh | 2009-08-25 12:39 | アート
 
8/24 タイ
 早朝に香港を出て、バンコク入り昼頃。
 トビーにウェルカムランチを全員、ご馳走になり、仕込みに入る。
 思ったより暑い。ガンガン暑い。そして蚊が凄い。蚊の軍団に襲われそうな感じ。
 なんとも緩やかな時間が流れている。ふう。
 だがしかし、まるっきり休みなし。パトラバディシアターのオーナーであるパトラバディさんとはもう10年以上も前に香港で会っている。それから4年くらい前にここで。
 トビーは香港人であるが、今はここ、パトラバディシアターのプログラムディレクターの役割を果たしている。そしてここに来る前はOn & On Theatre で働いていたという。パパ・タラフマラをやりたいと言い続けていたのもトビーである。 思えば、昨日、ポートランド公演の時にテクニシャンでいた香港人が見に来ていたが、とっても世界は狭くなったと思わざるを得ない。
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by kikh | 2009-08-24 22:14 | 日々の記録
 
8/23 香港楽日
 On & On Theatre のディレクターであるチューさん。香港の舞台芸術関係者の重要人物は全員、見に来たよ、と言っている。まあ誰が重要なのか分からないが、とにかく知人によく会う。次から次へと握手していくようなありさまだ。
 今日は3日目。昼飯をOn & Onの面々と飲茶。美味い!!いやあ、美味い!昨日のクックとの飯も美味かったが、これまた、美味い!それからすぐにOn & ON に行き、広東モダンダンスカンパニーのアーティスティックディレクターのプンさん&チーフマネージャー、加えて、今度、「パンクドンキホーテ」に出演することになっているカンパニーのオーウェンに会う。プンはエクスチェンジプログラムを熱心に語っていた。こういう試みを行なうことは非常に大切なことだ。これとは別に香港の香港ダンスカンパニーのプリンシパルがパパに一年間、是非来たいと言っている。こういう話は世界中でもらうが、日本にいると舞踊界からも演劇界からも異端視しかされない。舞踊は舞踊が好きで、演劇は演劇好き、そしてそれしか語れないという状況はまるっきり変化していない。

ズニのマサイアも来ていたが、もう41になるという。驚く。太ってしまっている。

公演は、まあ、順調に進む。反応はきわめて良い。まあ、三人姉妹は世界中どこへ行っても受ける。

夜23時、飯を食いに行くのだと思ったら、案内されたのはこじゃれたバー。どうもねえ、オレはこういうところは苦手なんだよねえ。別に食い物も美味くはない。まあ、そうは言ってもあまりに歓待されたので、今回の香港は非常に良い気分のまま、終了ということになりそうだ。
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by kikh | 2009-08-24 09:19 | 日々の記録
 
8/22 公演2日目
 本日は香港公演2日目。明日まで満席が続くという。
 香港にいると次々と知人に会う。加えて、昔、香港でやった三作品、「春昼」「島~Island」「島&島」に言及してくる人が多い。もう10年も前になるというのに、それら作品が人々の記憶に深く留まり、その影響について語ってくるアーティストたちもひとりやふたりではなく、間違いなく香港のパフォーミングアーツ界にも強い足跡を残しているのが分かる。
「三人姉妹」もまた、強烈な印象を残しているようである。ダニーユンは来年の上海エキスポに持って来れないか?と言っている。ダニーは心臓の大手術をして何とか生還したのだが、元気だった。
クックと公演後、飯を食いに行く。さすがに本場、香港人が勧めるレストランで、香港人が頼んだ一品、一品はどれも外れがなく、みんな、唸りまくりだった。
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by kikh | 2009-08-23 15:56 | 日々の記録
 
8/19 香港入り
 朝、6時には家を出る。香港着14時。
 夕方からミーティングをOn & On Theatreの方々と。
 それからウェルカムディナーを開いてくれた。やっぱり香港。美味い。インドネシアとは桁違いに良い。食事で言えば、やっぱり中国は凄い。
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by kikh | 2009-08-23 15:55 | 日々の記録
 
8/18 三人姉妹とNobody
 午前中に「三人姉妹」の稽古&通し。通し稽古には20人くらい見に来ていた。それにはバリのスダマニ一行もデワライを除き、やってきてくれた。デワブラタももちろん来てくれた。終わってすぐに「Nobody, No Body」の通し。
 それから「Nobody」の稽古。「Nobody」は光が見えだしたので、これでなんとかなるだろう。しかし、問題は出演者の四人がみんな一様にノンビリ人間たちで、これから伸びていくことが必須である。そのメンタリティを持ち得れば良い作品になると思う。
 夜にもう一回、「Nobody」の通しを行なう。30分程度だ。かなりゆっくりゆっくり作っている。65分~70分の作品にする予定だからまだ半分弱である。パフォーマーにとっては相当、ハードで過酷な作品なので保つかどうかが心配だが、まあ彼らを鍛え込むにはうってつけだろうと思う。
 終了後、トラフの面々と「パンクドンキ」の美術MTG。やっとこちらも方向性が見えた感じである。
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by kikh | 2009-08-23 15:54 | 日々の記録
 
8/17 越える
 今日、「三人姉妹」と「Nobody」の稽古を行なう。
 「三人姉妹」は、かなりの高みに達しているため、あまり問題ない。明日、きちんとやれば、まるっきり問題ないだろう。
 懸案事項の「Nobody」。
 どれだけ文句を言い、どれだけ神経を尖らせ、どれだけ声を枯らし、こっちが倒れるか、おまえらが倒れるか、さて・・・と感じるほどで、オレ自身もおかしくなりかかっていた。匙を投げかけたことも何度もあった。
 しかし、今日、やっと峠を越えた。
 少しみんな気付くようになってきた。
 まあ、ここからも一進一退を繰り返しつつ、でも良くなっていくだろう。後は、自身の気づきがどこまで深く継続するかだろうと思う。
 ホッと胸をなで下ろす。やったあ、やっと少し超えてくれたか!と息を深く吸い込む。ああ、気分は良い。
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by kikh | 2009-08-18 01:23 | 日々の記録


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