人気ブログランキング | 話題のタグを見る
★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
12/20 マラパスクワ3日目
 毎日、夜中から朝方にかけてはザアザアと雨が降っている。どうもすっきりと晴れない。昼間は雨は降らないものの、どんよりと曇り、たまに太陽が顔を見せる程度である。

ネットができるだろうというところを何人もに聞いて歩くが、結局、島全体でネットができるのは2箇所。そのうち1箇所は一週間止まったままだそうだ。もう一箇所は昨日からまったく復旧しないらしい。全滅である。困った。どうしようもない事態。どうしようもないのは、ここは島なので、そう簡単にはネットに繋ぐことができる場所まで移動できない。事務所側で困っているのは目に見えるようだが、しかし、電話もそう簡単にはできそうもない。そして、さらに歩いてみると、実はジャパニーズレストランがあったのだとか。でもすぐに潰れてしまったらしい。そこでは安くインターネットカフェもやっていたらしい。安いインターネットカフェに日本食、なんだが、なんせ日本人がほとんど来ない島であるからして、日本食はいかに世界的にブームとは言え、厳しかったのだろう。あともう1箇所あったようだ。ここも、とっくにインターネットは止めてしまったという。なにゆえだろう。今時、インターネットがなければ、きつくなるのは目に見えているし、あるところは200ペソも30分で取って商売になるのである。
 よって、マラパスクワに6日間いて、研究生たちの台本も書き上げて、と思っていたけれど、一日早くし、セブシティでネット環境を整えるしかないだろうと感じているのだが、しかし、とは言え、こんなに集中できる環境もそうそうあるものではないから、やっぱりこのままいた方が良いのではないか、とも思える。P.A.I.の卒公台本が書けたら移動。書けなかったら、6日間滞在としよう。
 しかし、それまでにネット、なんとかならんもんか。ボゴに行けば、大丈夫とマルコスは言うが、ボゴまで片道2時間。往復で最低4時間だ。金も相当かかるだろう。無理だな、と判断する。待ち時間も加えたら往復5時間以上、ネットに繋いでいる時間も加えると6時間~7時間を要してしまう。

 朝、腹痛で目覚め、研究生の卒公タイトルを「プリティ・ドンキホーテ」とすることとした。そこまではよい。そしてイメージを作っていこうとしているが、やっぱり正直言って、今の研究生は男っぽい男がいないのである。男らしくない男たちと女ばかりであるから、本来は女の話をやった方がいいのだろう。「プリティ・ドゥルシネーア」でもいいのだけれど、ねえ、困った。まあ、いいか。宝塚風で。と考える。

 昼近くなって、腹痛も治まったので、マラパスクワを歩くことにした。北まで行くと南北が4キロ。東西が2キロだそうだから小さな島だ。今、南にいるのだが、北まで歩く。島の生活が、まったくそのままの形で残っていて実に興味深い。往復で10キロ程度歩くとやっぱり疲れる。疲れるが、とっても気持ちがいい。

島に観光業がもたらされたのが2000年というから、実はまだ8年くらいしか経過していない。しかし、8年間で物価含めて大きく変わったとのことだ。8年で、貨幣経済がどんどん浸透し、当然さすればうまくやった人とうまくできない人に分かれるだろう。金儲けがうまい人の方が当然、こういう場所では望ましいに違いない。だが、本当にそうだろうか?と問えば、やっぱりかなり怪しい。金儲けがうまそうなヤツに良さそうなヤツは少ない。滅多にいないと言ってもいいだろう。顔つきにしても、インド人と一緒で、外国人と見たら金づると思え、みたいな顔になってくる。
 子供たちがいい例で、歌を歌っては金をくれ、場所を案内しては金をくれ、そんな風になってしまっている。こういう子供を作ったのは、やっぱり観光業である。地元にとっては観光によって生活が豊かになるのはとてもいいことなのだろう。しかし、豊かさとはなにかだ。子供が金をせびる社会なんてつい数年前まではなかったはずだ。
 だが、子供たちと話をしていて分かるのは、セブ本島までわずか40分の距離だが、その本島へ行ったことがない子供がほとんどであった。それはなにを意味するのか?ついこの前までは子供たちどころか、親たちの多くもここマラパスクワに生まれ、育ち、一歩もここから出ることなく一生を終える人たちも多かったのではないか、と推測できる。子供たちにはせめて、自由に大きな社会を、と望むだろう、さすれば金である。金こそが自分たちを自由にする最高のツールである、と考えることを否定はできまい。だが、もっといい方法はないものだろうか。あったら苦労はしないか。しかし、青い鳥がどこにいるか誰もわからない。この島から出ていって、外で青い鳥を見つけられるのはほんの一部であろう。自分の足下をよく見定めることが最も肝心なのはどこにいても同じだ。

 最北端まで行ってみると波がまったく違った。南側は穏やかなのに、北はとても波が高い。余りに違っていたので驚く。そこにあった潰れリゾートを管理しているオバサンがいて、この人も帰り際に、自分の村で今夜ディスコパーティがあるという。今度はテニスコートをディスコ会場にするんだとか。ディスコパーティーに来い、という。無理だ。歩いて1時間はかかるから、ね。それも真っ暗ななか歩けるわけがない。聞いてみると、みんな踊り好きだ。踊って踊って。楽しく過ごそう。子供たちもディスコと聞くと、本当に浮き浮きしている。ディスコ、ディスコ・・・クリスマスディスコである。もうクリスマス一色になりつつあるのだ。クリスマスの意味が、こういうところに来ると実にはっきりと日本と違っているのが分かる。
by kikh | 2008-12-22 20:27 |
<< 12/21 マラパスクワ4日目 12/19 マラパスクワ2日目 >>


S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
関連リンク