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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
2/12 年齢を重ねる
 「Ship in a View」は初演から数えると12年になる。初演時に30だった人は42歳になり、みんなどんどん年齢が上がっている。子持ちが3人になり、50近いのも数人。今日はクックを除き、全員が揃った。以下は、今日の稽古後、全員に送ったメールである。

 
 本日はお疲れさまでした。
 今日、クックを除き、全員が揃いました。
 今日見てみて、つくづく感じたのは、年齢を重ねていくことの美しさでした。
 初演の「船を見る」に比べ、格段に良くなっています。ひとりひとりの重みがじっくり、じんわりと、そして強烈に出てきて、濃厚な舞台になってきました。ああ、なんと、作品とは手のかかる、そして時間のかかるものなのだろうか、と思いました。数日休んでいた菊地は果たして大丈夫かな、と思っていたら、ずしりとした人間くささが出ていました。これは彼女が生きていく上で経験した数々のことを自身の内面的成長へ変換し得ているためでしょう。驚きました。やはり人は、身体に痛みが出たり、動かなくなってきたりする分、なんとも滋味豊かな味が出、悲しさと苦悩と哀愁と喜びが滲み出るものか、と改めて感じました。12年間やっている人たちの凄さ、そしてそれに追いついてきている後から入っていった人々もまた、素晴らしい領域へと踏み込んでいます。
 こういう積み重ねられた経験値と年齢の方々の間に南波が入っていくのは実はとてもとても大変なことです。しかし、裏を返せば、この中に入って行けるのは限りなく素敵な経験でもあるのです。後悔しなくても済むよう、最大限の事を自分自身に課していくことです。
 他の方々は、さらにさらにその厚味に磨きを掛けていってください。
 ではでは、残り3日間の稽古、よろしくお願いします。

 小池博史
by kikh | 2009-02-13 08:49 | 日々の記録
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