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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
7/2 マイケルとピナ
 マイケルジャクソン、そしてピナバウシュが亡くなる。と、それに伴い、スゴク悲しいという人が出てくる。まあ、それはそれで結構だ。悲しい感情があるのは結構という意味。しっかし、マイケルにしてもピナにしても年齢ではなく、もうやり切った感があるのは否めまい。だから、充分に生きたと思うのである。それは当然、勝手な感想だ。だが、やり切り、生き切れる人間はそうそういるものではなく、また、充分に得られるモノは得られただろうと勝手に思うのである。これ以上を望むのは、当然、当人はそれ以上を望むだろうが、過剰な望みというものだ。人間の欲望は限りなく、ここまで来れば、さらにもっと、というのが人間だから、人という動物は最高にも最低にもなってしまういやらしさが常に付きまとうのである。
 マイケルジャクソンは確かに歌と動きを結びつけたエンタテイナーという役割があっただろうし、ピナはピナでタンツテアターを確立したと言ってもよい。しかし、マイケルを僕は繰り返し聴きたいとはまったく思わなかったし、ピナにしても面白い作品とつまらない作品、両方、厳然と存在したと思っている。日本人はすべてOKで、すべて絶賛であったが、アレレ?という作品も決して少なくはない。最後の方はもう、物量作戦というか、金のかかるアイデアをこれでもか、と押し込めたような作品が多かった。
 人間が死ぬのは仕方がない。が、それが悲しくなったのはいつからだろうか?とフト思う。生きるというのは他者の記憶に残すことである。だから、他者の記憶に残せた人間はそれなりに幸せだったということになるのではないか。そこで犯罪について考える。犯罪とは、よほどの飢餓やせっぱ詰まった状況に遭遇した人は別として、ボクは、その多くは他者の記憶に残すための行為ではないか、と思うのである。

 稽古は佳境だ。11日目にして冒頭部を加えると75分となっている。あと10分くらいか。明日には全部、終わらせてしまいたい。
by kikh | 2009-07-03 11:40 | 日々の記録
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