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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
6/26 WTC跡地とブルックリンブリッジ
 まだ足首が痛いが、ずいぶんと良くなってきたので、せっかくだから歩くことにする。
 とは言っても、歩くと痛み出すので、すぐ近くのワールドトレードセンター跡地へ、再び足を向ける。
 チェンバーストリートとウェストブロードウェイの交差点の真ん中に立って、ウェストブロードウェイの南側道路を見ると、その先にワールドトレードセンターが巨大にそびえ立っていたものだった。ぼんやりとWTCが見えるような・・・・幻視。空虚。
 相変わらず、ワールドトレードセンター跡地では金網に貼り付く人の数が多い。そしていつまでも離れない。この人たちの想念を思うと、痛い。ずしりと重い。僕のいるトライベッカはWTCと隣接し、ゆえに未だに、9・11の錘から脱することのできない人たちも多くいると聞く。それは、・・・確かにそうだ、この巨大な物体がポコリと、忽然と消えてなくなったのだから。いや、これは俺の感想だろう。リアリティはないのだ。映像しか見ていないのだ。しかし、このトライベッカの人たちにとっては、決して「忽然と」ではないはずである。轟音と火の塊と煙と人の焦げ付く臭いと、腐臭と・・・・そうしたリアリティの元での、重い「忽然」なのだから。
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 足をブルックリンブリッジへと向ける。はじめて歩いて渡ってみる。ガイドブックを読んでいたら、実はドジャーズはブルックリンにあって、ブルックリンドジャーズと言ったらしい。そのドジャーズがサンフランシスコに移り、この橋が架けられたために、ブルックリンがニューヨークと大きく意識を隔てた別個の行政区としての独自性を消してしまったらしい。イーストリバーは確かに大きな川だ。橋が出来たら簡単に移動できるようになる。この巨大な吊り橋を見、渡ってみると、まったく経済の流れ、人の流れが変っただろうことを想像せずにはいられない。圧倒的と言えるほどのすごい橋だ。ここから自由の女神を見る。遠くに小さく見える。
この橋を渡って、ブルックリンを歩く。静けさ。マンハッタンとは違った静けさが漂う。実に落ち着いた古い建物も残り、昔のアメリカらしさの漂っている場所である。
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戻ってきて、昔、アメリカでの最初のツアーのマネージャーをやってくれた小川彩ちゃんと飯を食う。今はジャパンソサエティで働いてもいるが、作家であり、俳優である。日本人というよりアメリカ人だ。ことばもメイン言語は英語、いや米語である。
チャイナタウンで、彩推薦の店に行くが、最高に美味い。なかなかこれだけの味を出す店は中国でも多くはない。素晴らしい。苦労話やら、今後の希望やら聞く。今、自分の劇団を創設しようとしているらしいが、大変だとも言っていた。


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by kikh | 2005-06-28 18:35 | 日々の記録
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