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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
三人姉妹
寒い一日。
 稽古場も寒かった。しかし、寒い稽古場というと、昔、どこかの小学校体育館で、
雪がしんしんと降り続き、どんどんと積もっていく時に行った稽古は凄かった。外と
変わらない温度だったから、ほぼ氷点下以下だろう。そして、稽古が終わったとき、
雪は足をずっぽりと埋めるまでになっていたのだった。
 こういうときは稽古をしても、稽古にならない。厚着をして稽古をする。しかし、
熱くもならない。ほんの少し熱くなって、汗でもかこうものなら最悪である。一気に
冷えが始まる。
 今日の稽古は、もちろんそんな極端な寒さではなく、ちょっと寒いなあ、程度では
あるのだけれど、やっぱり難しいのは汗と冷えである。僕は見ているだけだから、逆
に汗などはかかないけれど、動かないだけに足下から冷えてくる。

 51分の作品は、三人が疲れ切っていて、終盤部で一気に動きがダメになった。足
が痛いだの、腹が減っただの、膝が・・・だの、といろいろと言っていたけれど、
やっぱり、どうしたらそこまで保つのか、そういう頭脳と力を身につけなくてはなら
ないだろう。結局、頭で処理しなければ、同じ事ばかり繰り返されることになる。
 終わってから問題の理由を言うのは簡単である。しかし、なぜ、それを始まる前に
対処できないのか?もちろん分からないこともあるだろうが、分かることもあるはず
である。
 とは言え、帰国後に、さらに面白いものになっていくだろうことは間違いない。そ
れでなくとも、なんじゃこりゃの三人姉妹になっているのだから。それにしても、舞
台芸術である。ダンスや演劇ではない。オペラでもない。いや、どれでもある。そし
て軽演劇であり、大衆演劇でもある。馬鹿馬鹿しいことこの上なく、そしてエロ
ティックで崇高である。

 年賀はがきを今年も多く頂いた。しかし、ほとんど返信らしい返信ができずに、心
苦しく思っている。とは言え、見る楽しみもある。毎年、毎年、感心するのは葛西薫
さんの年賀はがきだ。丁寧に手書きで、文章も住所も、である。そして当然とも言え
るように、絵柄まで自分自身で製作しているのだろう。こんな時間があるのだろう
か?と感心する。

 終わってから、筑波大学の西澤晴美ちゃんと話をする。いや、インタビューされ
る。彼女は私のつくばでのワークショップに毎年出ているのだけれど、同時に今では
パパ・タラフマラ研究家である。そのうちにパパ・タラフマラの本を出したいのだと
か。パパ・タラフマラは今のままでは、誰も研究して本を出す人がいない、何十年後
かには、下手をすると埋もれてしまう可能性がある。それは舞台芸術界の損失であ
る。だから、出したいとは当人の弁。嬉しいねえ。俺も本を出そうと思っている。
by kikh | 2005-01-08 00:00
<< モントリオールへ 今年もよろしくお願いします。 >>


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