28日にオークボに撮ってもらった全身アップのビデオが功を奏した。
やっぱり見えないものが見えてくる。何が悪いかが明確になる。
今日も、あるシーンについて、演助の横手から問題が指摘された。が、何が悪いか分からない。いくら話を聞いても分からない。本当にもどかしいのはこう言うときである。演出を全部やっているとこういうことは何も問題にならない。問題が何かは明確だからだ、常に。
要は、僕自身の立ち方が間違っているのか、それとも周りにいる松島、菊地の存在の仕方が間違いなのか?そのどちらかしかない。それには演出意図が関わってくる。けれど、人間は刷り込みが大きく、一度、ある方向に傾いてしまうと、その方向性が正しいと思いこむ傾向がある。これは僕が演出するときに最も注意する点である。
横手を代役に立てて、見てみる。なるほど、ひとつには位置が悪い。持って生き方が明瞭になっていないということがあった。が、そこから先は、やっぱりいまいち分からない。もう一度、アップビデオでも撮ってどうすべきか、考えることだろう。
夜の通しで、なんとなく掴めてきた。
残り4日間の稽古である。たぶん4日あるなら、十分である。