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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
ワルシャワ
 ワルシャワは、良くも悪くも田舎くささが漂っている。第二次世界大戦時に99%はナチスによって破壊された街なので、この街は再生された街であることは間違いないが、再生されきっていないような、重さが残っている。人々の顔つきも同じで、ここの劇場のアシスタントは、ポーランド人はフレンドリーか?とか、いろいろと聞いてくるが、とてもフレンドリーな雰囲気はない。薄い鎧を纏っているような印象すらある。
 街を見渡して多いのはケバブ屋とセックスショップである。びっくりするくらい多い。なんだろう、この街は、と不思議になる。ケバブ屋は単にトルコ移民が多いからだろうが、どうしてトルコ移民が多いかは、聞いて回らないと分からない。
 ポズナンはドイツ的街で、ここワルシャワはポーランドの街だ、と言っていた人がいたが、その違いは分かるようで分からない。ワルシャワを歩いていると、やっぱりドイツ的だと思ってしまう。しばしばベルリンにいるような気分になったりすることもある。

 ここの主食は芋である。ドイツにいても、前にポーランドのルブリンで公演を行ったときも、決して主食は芋という感じではなかったのだが、(やっぱりパンだと思った)、ここでは芋、芋、芋と芋尽くし。芋と肉と酸っぱい野菜(ザワークラウトなど)である。まあ、飽きる。またたく間に飽きていく。でも芋がうまい。肉もうまい。が、特に芋だ。

 こういう街でワーグナーを聴いたり、モーツァルトを聴いたりすると、やっぱりピタリと嵌る。モーツァルトのレクイエムなんて、ワルシャワのための音楽ではないか、と思えてきたりする。西洋音楽は西洋で生まれているから西洋音楽だが、このような音楽は絶対にモノがすぐ腐ってしまうインドネシアのような国では生まれ得まい。日本でもあり得ない。この石、石、石でできた街だからこそ、この音が生まれ、この音が生えるのだ。

 アラタマが元気になってきた。飯もばくばく食っている。先日まで、痩せる一方で非常に心配していたが、今はばくばくだ。食い過ぎ?って心配になるほどになっている。
 そのアラタマから、心配だからアウシュビッツまで一緒に行ってほしい、と言われている。片道4時間くらいの行程で、これを一日で往復するのはかなりシンドイだろう。京都往復より遠いのである。せっかくポーランドに来たのだからアウシュビッツへ、か。
 ワルシャワにいるだけでも重い空気が感じられるのに、アウシュビッツか。とますます重い空気に苛まれそうだ。
by kikh | 2007-10-29 18:34 | うひょひょ!
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