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★小池博史★演出家・振付家・美術家・作家・写真家

by kikh
 
ヤノベケンジさんとのMTG
 ある知人がロンドンに4,5年は住むことになる、と連絡してきた。思えばロンドンの物価は信じられないくらい高い。今や地下鉄初乗りは900円くらいするという。

 日本では常に、核武装反対と核武装賛成がせめぎ合う。
 人類という視点で見れば、核武装反対は絶対に正しい。みなで核武装して墓場に入りましょう、遅かれ早かれ、という視点でいるなら、さっさと核武装し、どうやって北朝鮮や核保有国と渡り合えるか考えればいい。しかし、常に必要なのは希望だ。短期的には、核武装は有効手段だろうが、長期的に見たら、核放棄しかないのだ、我々には。ところがどっこい、人間は厄介で、それが人間と言えるのだけれど、人は一方では欲望の塊であり、権利を主張する生き物であり、所有欲の芽生えが起きて以来、行き場がなくなってしまっている生き物である。そしてそういう所有に成功した者を讃えてきたのが人間である。
 今でも同じだ。まったく同じだ。今の日本も、結局、努力して金を儲けられる構造を作りだした人たちに引っ張ってもらいつつ、日本経済全体を上げようと言う発想が、格差をさらに生み出している。その市場主義的発想が世界中に格差を生み出して、怨嗟を生んでいく。世界は怨恨の塊と化しているが、その雪解けをどうやって計ればいいのか?目には目をの発想が可能だったのは、小さな武器でのやり取りしか出来得ない時代のことで、核武装した今、目には目を、では、もう死に行く塊と我々は化すしかなくなってしまう。

 今日は大阪に来て、ヤノベケンジさんの「トラやんの大冒険」展を見、そしてそのまま、打ち合せに入った。ヤノベさんとは次の「ガリバー&スウィフト」で美術で関わってもらうことになっているので、その第一弾としての初顔合わせである。
 この展示を見た時点で、「ガリバー・スウィフト」に彼に入ってもらおうと考えたのは正解だと思い、実際に会って、話をしてみて、ますます確信した。夜行バスで大阪入りしていたオークボは強烈なヤノベファンでもあって、この人に言わせると僕もヤノベケンジさんも、妄想の塊なのだという。塊かどうかはともかく、すっきりと非常に気分の良い時間を過ごした。意気投合したと言ってもいいと思う。
 で、なぜ、上記のようなことを書いたかと言うと、「トラやんの大冒険」は、そういう人の心にある核問題みたいな問題を扱っているように思ったからだ。それはぼくもまったく同じで、ところがオレの場合は、たぶん10年くらい前までは非常に誤解されたまま伝わっていたのだろうと感じるのである。そこで核心に触れられなかった方々はパパ・タラフマラの舞台を見るという行為から去っていったのかな、と思わざるを得ない。

 さて、それはともかく、楽しい時間がこれから10月に向かって始まる予感がたっぷりあった。
by kikh | 2008-01-12 13:14 | アート
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